今回の実例はTwitterから、小ネタ系を2つ。
忙しいので、前置きの解説なしでいきます。
まずはこちら。日本で報道されていることを英語にして紹介している神田国際大学のジェフリー・J・ホールさんのツイートより:
The report includes this drawing based on the testimony of the former church member. Hagiuda, who was out of office between 2009 and 2012, would often visit the church and was treated as a honored guest. Before speaking, Hagiuda would bow to the official portrait of Rev. Moon. pic.twitter.com/JJQkPJxz7G
— Jeffrey J. Hall 🇯🇵🇺🇸 (@mrjeffu) 2022年8月20日
第2文、コンマ2つにはさまれた《挿入》を外すと、次のようになる。
Hagiuda, ..., would often visit the church
はい、《過去の習慣を表すwould》。「よく~していたものだ、よく~したものだ」。
いろいろパネェっすな、英語にすると。
パネェんだけど、英語で世界を見るときの解像度はこういう感じです。特に人間の行動に関しては。
もう少し加えると、ここに仮定法か直説法か(現実には起きていない・起こりえないことか、現実に起きた・起こりえることか)、話者の心情が入った表現か心情の入らないドライな事実か、といった、大まかに二分するフィルターが(何枚か)重なっているという感じです。「きのう何食べた?」は直説法で過去の1点について言う表現を使えばいいし、「転生したら勇者だった」みたいなのも(少なくともその物語上は「現実に起きた」ことだから)同じく直説法で過去。一方で「どうなる、日本経済」みたいなのは事実に基づいて展望を述べるなら直説法で未来を言う表現を使うし、「もしも米国経済が08年のような激動に見舞われたら」みたいな最悪のシナリオを想定して考察するという場合なら仮定法でwouldなどを使う。
小ネタの2つ目:
日本語は、助詞を適切に使わないと、機械翻訳で死者がよみがえってしまう。😱 pic.twitter.com/ojZNut7hut
— nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など (@nofrills) 2022年8月22日
解説なし。
ていうか、こんなのも解説してもらわないとわからないという程度の言語運用力しかない人は、機械翻訳を使うのはやめて、人間の翻訳者に依頼してください。
※1350字