Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

so that ~の構文, as +過去分詞, and so ~, 大文字の使い方, など(Twitter上のパロディ・アカウントと、イーロン・マスクの激怒)

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今回の実例は、Twitterから。

この発言(ツイート)が出るに至った経緯を今日は書こうと思っていたのだが、ちょっと扱いきれない感じなので、このツイート単体で文法解説だけ。経緯説明は次回(明日)。

こちら: 

Twitterの @thegoodgodabove さんといえば、かなり前から活動しているパロディ・アカウントのひとつで、これまではシンプルに、Godという名前で活動していた。今でも、Google検索で画像の検索結果を表示させると、それが確認できる(下記、一部、Twitterのこのアカウントとは関係のないものが、ワード検索での結果として表示されている点はご注意願いたい)。

https://www.google.com/search?q=thegoodgodabove

検索結果の画像一覧は「傑作選」みたいになっているが、おおむねこんな感じのユーモラスな投稿ばかりのアカウントである。

今回の事態が出来(しゅったい)するまでは、bio欄はもっとシンプルで: 

http://positivists.org/blog/archives/5818

(話は脱線するが、この画像の引用元であるページには、2016年2月時点で確認されているTwitterの「神様」アカウントがリストアップされていて*1、なかなか壮観である。私の見ている画面に流れてくる「神様」アカウントは、この @TheGoodGodAbove さんと @TheTweetOfGod さんが主である。)

「神は存在するか」というのは、日本ではどうだか知らないが世界的にはめっちゃくちゃ深遠な問いとなるもののひとつであるが、「神はツイッターを使うか」というのは、現実世界を生きていてもろもろ現実的な判断をしながら暮らしている人ならばほぼ間違いなく「ない」「ありえない」「んなわけはない」といった方向で即答して返すであろう問いである。ゆえに、これらの「神様」アカウントは、たとえOFFICIALと全部大文字で言い切っていようとも、「誰がどう見てもパロディ」というアカウントである。見ればわかんだろ、わざわざ「パロディ」とか書かせんな、無粋だろ、というものだ。

その点、「猫のラリー」さんのアカウントなども同じだ。私たちはパロディはパロディとして、ユーモア (humour) として、つまり人間 (human) のいとなみのひとつとして接し、楽しんできた。それがTwitter上のエコシステム(生態系)に組み込まれていた。

ああ、牧歌的時代よ。その時代はもうおしまいだ。

というわけで、今回の英文法実例: 

As requested by the owner of this website, I have added ‘parody’ to my name so that no one ever gets confused 

下線部で示した文頭のasは「~ように、~のとおり」の意味。"requested" は過去分詞。「このウェブサイトの所有者によって要請されたように」。この《as + 過去分詞》は使いどころがいろいろあるので、覚えておくと便利だ。

"this website" はTwitterのこと。SNSのような機能を有したものは、日本語圏では「ウェブサービス」などと呼ばれるだろうが、英語圏では「ウェブサイト」と呼ばれることが、一般には多い(技術畑ではまた用語法が異なると思う)。

太字で示した《so that ~》は「~するように」。それに先行する部分と一緒に使って「~するように…する」という構文になる。例えば「容器の底が傷つかないように、新聞紙を敷いてから石を入れます」といったような場面で使う。

ここでは「決してだれも混乱することがないよう、私の名前に『パロティ』と書き添えました」という意味の文になっている。

そのあとの: 

and so he doesn’t cancel Me. 

は、誰かがconfuseしてその結果、「よりによってこの私をキャンセルする」。さっきのso that ~とかぶっていてややこしく見えるかもしれないがこちらの《and so ~》はsoのシンプルな用法だ。

"Me" が大文字始まりになっているのは神様だから(三人称の代名詞のときもHe, Himなどと大文字で書き始めるのがお約束)。

というわけでここまで、「このウェブサイトの所有者によって要請されたとおり、決してだれひとりとして、混乱してこの私をキャンセルすることがないよう、私の名前に『パロティ』と書き添えました」という意味の文になる。

ああ、何とかブログ書けた。

 

というわけで「神(明示的にパロディ)」様こと @thegoodgodabove さんのプロフィール(bio)欄は、現在こうなっている。

https://twitter.com/thegoodgodabove

Parodyを2度も書く念の入れようだ。

 

一方で、@TheTweetOfGod さんはというと……

https://twitter.com/TheTweetOfGod

I'm not a parody, Elon. I'm actually God, I'm actually almighty, and I actually think you're insane.

「イーロンよ、余はパロディではない。本当に神なのだ。本当に、全能であり、そして汝は正気を失っていると考えている」

かくして、なぜかTwitterを使っている「神(本物)」を前に、「『パロディ』って書かずにTwitterでなりきりパロディやってるやつ、全員死刑な」(意訳)と言い切ったイーロン・マスクはどう出るのか。これからも目が離せない(棒読み)。

↑ここで報告されている @arb さんについては、次回のブログで扱いたい。検索すれば何があったかはわかるだろう。

日本語の報道機関大手も、@arbさんとは別の人にほとんど同じようなことが起きたことを伝えている。

このように、イーロン・マスク体制下のTwitterが「イーロン・マスクなりきりパロディ狩り」に血道をあげているときに、英国の首相官邸に勤務する齧歯類捕獲官のラリーさんは、「本物のナチがツイッターを使っているというのに、それは見逃して、パロディアカウントを追放するんだもんね、びっくりだ」と投稿している。猫なのにすごいね。

この状況を前に、私は自分に言い聞かせている。"Let this sink in. Twitter is finished." と。

そして「神(本物)」様は……

「神(本物)」様がおおせになるので、スクショをとっておいた。ほらよ。

https://twitter.com/TheTweetOfGod/status/1589458627701579776

さらに「神(本物)」様いわく: 

こ の 手 が あ っ た か……!! 

 

ちなみに、「神(本物)」様が名前の横に書き添えている代名詞の "Thee/Thy" は二人称。こういうふうに名前の横に代名詞を書き添えるときは、自分が他人からどう言及されたいかを示すので三人称を使うのだが(he/him, she/her, they/themなど)、この「神(本物)」様アカウントが笑えるパロディアカウントだということは、その時点で、英語を使う人には明白である。

 

※4900字。1記事上限を1000文字近く超過しているが、Twitter埋め込みが多かったのでしかたがない。

 

↓「神(本物)」様アカウントの中の人の著書: 

こちらは日本の学習英文法の神本(「神」は近年の日本語スラングの意味で): 

 

 

 

*1:ローマ教皇など本物の宗教関係者の本物のアカウントはここには入っていない。

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