このエントリは、2019年8月にアップしたものの再掲である。so ~ that ... 構文のthatが、わりと珍しく、省略されずに記載されているので、構造が見つけやすい実例となっている。
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今回の実例は、知られざるロンドン富裕層事情を報じる記事から。
今年7月、ロンドンから衝撃的な映像がTwitterのサッカー系アカウントなどを通じて流れてきた。英国では至る所に設置されている防犯カメラ(現地では closed-circuit TV, 略してCCTVという)の映像で、黒くてごっつい車がヘルメットをかぶった男たちに襲われていて、がたいの良い短パンの男が華麗なステップをふんで襲撃者を退散させている現場が撮影されている。
襲われている車はアーセナルに所属するフットボーラー、メスト・エジルのもので(先に乗り込んでドアを閉めている赤いシャツの人物がエジル)、暴漢を追い払っているのは同じくアーセナルのセアド・コラシナツ。2人ともドイツ出身でイスラム教徒の移民の家庭の出身という共通点を持ち(エジルはトルコ系、コラシナツはボスニア系)、ロンドンでも仲良くしているようだ。この日、彼らはそれぞれのパートナーと連れ立って食事に出かけようとしたところを、賊に襲われたらしい。
コラシナツは「ボスニアのハルク」とか「バルカンの戦車」とあだ名される屈強なディフェンダーだが、それにしたってめっちゃ長い刃物(柳刃包丁より長いように見える)を持った暴漢に素手で立ち向かうのはすごすぎる。このビデオがネットで回覧されたとき、それに添えられていた言葉は、「ヒーロー」的な賞賛の言葉(アーセナルのファンばかりでなく、ビデオを見て回覧する人はみなそう感嘆していた)。
このあとしばらくして、27歳の男2人がエジルの家のところで警備員と何かあったとかいう容疑で逮捕・起訴されたのだが、この逮捕と、7月の車襲撃とは直接関係しているような感じではない。詳細が報道されていない(明らかにされていない)のだが、むしろ、7月の襲撃で注目を浴び、メディアのカメラが陣取るなどしていることでエジルの豪邸が狙われるようになったのだろうとGoal.comでアーセナルを担当している記者は述べている。
この27歳の男2人が逮捕されたのが8日の木曜日で、その週の土曜日にアウェイで行われたプレミアリーグの開幕戦(対ニューカッスル)にはエジルとコラシナツは帯同しなかった。短い期間に複数回標的にされており、家族をロンドンに残してニューカッスルまで行けるような状態ではなかったという。このときのアーセナルのステートメント(ツイート内の画像をクリック/タップで全文読めます):
Statement just released by Arsenal on Mesut Ozil and Sead Kolasinac - who will not be available against Newcastle. pic.twitter.com/E8H1KclSTw
— Charles Watts (@charles_watts) August 9, 2019
というわけで、ひょんなことからロンドン北部の富裕層が多く暮らすお屋敷街が広く関心を集めることになっているというのが現状である。
ロンドン北部には、道路から建物(家)がやけに遠く感じられるようなお屋敷街があり、そこにはエジルらのような高給取りのスポーツ選手だけでなく、芸能人や財界人などを含め、お金持ちが多く暮らしている。私も人の車でそのエリアを通ったときに、「ここはミュージシャンの〇〇さんの家」、「あそこは映画スターの〇〇さんが前に住んでた」などと教えてもらったことがあるが、自分がいたエリアと比べて、同じロンドンとは思えないようなハイソな街並みだった。そのお屋敷街の近辺は高級住宅街で、街路樹に彩られた通りに沿って並ぶ手入れの行き届いた前庭のある家々には、例外なくセコム的なセキュリティ・アラームが設置されていたが、建物から道路の距離はそんなになく、格の違いというのはこういうふうに表現されるのかななどと思ったものだ。
閑話休題。記事はこちら:
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