今回の実例は、報道記事から。
報道機関には、新聞・雑誌やテレビのように、自分たちの社で取材したものを自分たちの媒体で記事や映像で読者・視聴者に届けるもののほかに、取材したものを新聞・雑誌など他の媒体に提供するものがある。後者は「通信社」と呼ばれ、国際的な通信社としては、ロイター、ブルームバーグ、AP (Associated Press) などがある。日本では共同通信、時事通信が有名だ。
通信社の配信する記事は、掲載媒体でその旨、クレジットがつく。例えば下記は産経新聞ウェブ版に掲載されている記事だが、共同通信のものである(こういう記事について「産経新聞の記事」と言ってしまうと間違いになるし、「産経新聞の報道」でも微妙になる。「産経新聞に掲載された共同通信の記事」と言うべきである)。日本語の報道ではこのように、記事末尾に「(共同)」などと記されることがよくある。
一方、ウェブ上の英語圏では、通信社の記事のクレジットは、記事ページの上の方、見出しとリード文のすぐ下のところに、日付などと一緒に記されていることが多い。下記は、エジプトの「アル・アハラム」という英語媒体に掲載されたAFP通信の記事である。
Twitterでアル・アハラムのアカウントが次のようにフィードしているのだが:
#UEFA weighs #SuperLeague revenge and changing #Euro host cities https://t.co/GWCWeDK8Fv pic.twitter.com/gAEyUGYUXK
— AhramOnlineSports (@AO_Sports) 2021年4月22日
この記事を「アル・アハラムの記事」と言うのは間違いなので、注意されたい(「アル・アハラムに掲載されたAFPの記事」である)。
続きを読む