Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

《結果》や《目的》を表すso that ~ (英議会とジョンソンのBrexitプラン)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

【おことわり】当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。

今回の実例は、Brexit関連の報道記事から(またか!)。

先週土曜日の19日、「土曜日に英国下院で審議」という異例のことが行われた。ジョンソン首相としてはそこで "Get Brexit Done" (彼の保守党の標語)を決めたかったのだが、そうは問屋がおろさなかった。それについて詳細を書いていたら1日がかりになるし、そういう話は書くならここじゃなくて本家ブログだと思うのでここでは書かないが、簡単に言うと "Get Brexit Done!" と叫ぶ首相がゴリ押ししてくる協定案に対し、「待った、それを決めるには、こっちを決めておく必要がある」として議員が対案を出し、その対案の方が通ってしまった、というのが土曜日に起きたことである。

国会という場ではこういう丁々発止が起きるのだということを、2010年代後半のことしか知らない日本の人々は知らないかもしれない。だからこれを「ジョンソン首相に対する妨害」的に書いたほうが、日本語圏では通じやすいのかもしれない。

現に英国でもジョンソン支持のメディア(デイリー・テレグラフなど)はそういうナラティヴを採用している(個々の記者はそうとは言い切れない)。

だが私が毎日読んでいるガーディアンは政府に批判的なトーンが常であるメディアで(それは保守党政権でも労働党政権でも変わらない。ただし、労働党はガーディアンは支持しているので、政府のやることをscrutiniseすることはあっても、否定を前提に批判してかかることはまずない)、ジョンソン政権については極めて懐疑的に報じているし、Brexit推進とは逆の側、つまり労働党やLibDemsといった、日本語メディアの表現でいえば「野党勢力」の動向について詳しい記事を多く出している。そういった記事の1つが今日の実例の記事。

www.theguardian.com

 この記事の中ほど、土曜日の投票結果のグラフが示されたあとのところに、このような記述がある。土曜日に何が起きたのかを端的にまとめた個所だ。

f:id:nofrills:20191024083906j:plain

2019年10月20日、the Observer/Guardian

ここに、2度にわたって《so that ~》が出てきているので、それを見ておこう。同じ《so that ~》のことは昨日も書いたけど、《結果》や《目的》を表すために使う表現だ。

 

最初の例: 

... Oliver Letwin, the former Tory MP, managed to amend the motion so that parliament withholds support until MPs are able to pass the full Brexit legislation and properly scrutinise the deal.

この文は、untilから最後までは副詞節なので、カッコに入れてしまうとよい。つまり: 

... Oliver Letwin, the former Tory MP, managed to amend the motion so that parliament withholds support ( until MPs are able to pass the full Brexit legislation and properly scrutinise the deal. )

で、主節の部分の意味は「元保守党所属の下院議員であるオリヴァー・レトウィンが動議を修正することに成功した」+「国会がsupportをwithholdするように」。

これは、主節が過去形 (managed) なのに、so thatのあとが現在形 (withholds) なのが目立っているが、これは「昨日manageした結果、今日withholdしている」くらいの感じのことを伝えているということで納得できると思う。

 

続いて2番目: 

MPs are now suspicious that Johnson is trying again to hold a meaningful vote so that he can withdraw the letter requesting an extension if it passes.

こちらは《so that S + can ~》の形(教科書で習う通りの形)になっている。be suspicious that ~は「~ということを疑う」の意味で、文意は「国会議員たちは現在、ジョンソン首相がまたもやミーニングフル・ヴォートを行おうとしていると疑っている」+「もしそれが議会を通過したときには、延長を申請した(EUへの)書簡を撤回することができる」。

この文意は、Brexitのニュースをフォローしていないと取れないかもしれないが、「ミーニングフル・ヴォート」と呼ばれるもので協定案が可決された場合、ジョンソン首相は、先にEUに送った延長要請書簡の内容を取り消すことができると考えていた、ということになる。

 

で、この後実際にどうなったかは、ここでは詳述しない。関心がある向きには、Twitterをご参照いただきたい。

 

 参考書: 

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

 
英文法解説

英文法解説

 

 

当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。