Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

英国の政党UKIPは廃れたわけではない。カリスマ指導者が新党Reform UKを作ったことで抜け殻にはなったかもしれないが。

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※このブログは英語の実例についてのブログなのですが、今回は英語とは関係のない話です。はてなブックマークで知ったことなので、はてなブログに投稿しておきます。

 

昨日7月7日はてブで下記記事が話題になっていたのに気づき: 

b.hatena.ne.jp

www.tyoshiki.com 

「欧州極右」と聞いたら読まずにはいられないのでクリックしてみたのですが、ガザ・ジェノサイドでぱっつんぱっつんになっている頭(しかも、きゃっきゃうふふする仲のガザの人たちが明日にはもうこの世にいないかもしれないというおそれが、本当にリアルになっている)には、残念ながら入ってくるものは何もなく、ただ目を走らせながらだーっとスクロールダウンしてみたところ、「英国の極右」として重要な名詞であるBNPも出てこなければ(まあ、それはわかる。もう古いから)Britain Firstも出てきてないようだし、唯一出てきているのはUKIPで、それが衰退しちゃったことになってて、その「衰退」の最大の推進力である「ファラージ新党」ことReform UK(以下「RFUK」)が出てきていない。

 

ええと……。

 

というわけで、とりあえずTwitter/Xに連投したら、それが元の id:tyoshiki さんに拾われて追記として載せていただいたので(ありがとうございます)、それをこちらにも掲示しておきます。

 

あと、もろもろギリギリで、noteとはてなブログの区別がつかなくなっててすみません。

 

オーストリア自由党についてはBBC Newsがよく取り上げていたので一定のところまではニュースを追っていたけど、ガザ・ジェノサイドで全部忘れました。昔のことは覚えてるけどね(ヨルグ・ハイダーの時代のこと)。年寄りか。

ともあれ。

 「二大政党のどっちもダメ」というのは、英保守党は2019年にボリス・ジョンソンが「クリスマス選挙」に打って出てバカ勝ちして、その後Covidもあって一気に支持を失ったあとは過去に属する政党になったようだし(今のLDの元となった自由党がかつては二大政党の一翼であったという事実を思い起こされたい)、英労働党障碍者年金を削減するという、マーガレット・サッチャーでもやらないことをやって、「経済成長を実現させましょう」とやっている最中で、一般庶民の支持は失っている。労働党は、極右にこびて移民制限策を打ち出したが、そもそも移民でない英国の人々の暮らしを損なう政策をやっていれば移民制限になど何の効果もなく、ただ伝統的な労働党支持層の離反を招いているだけ(その伝統的労働党支持層がどこに行くかがわからないが……)。

「伝統的な労働党支持層」(要するに政治的左翼の人たち)とは違う、ブレア以降の労働党(ニュー・レイバー)の支持層は、労働党の価値観を持っているというより、自分たちの暮らしをよくしてほしいということで投票してきたので、労働党がダメならほかの党に入れる。その選択肢になりうるのはどこか、ということでRFUKが伸びているのが現状だ。RFUKは要はファラージの党で、風を読む能力は抜群で、与党でも野党(英国の国会制度における「最大野党」)でもないので黙っていたほうがいいときは黙っていることができる立場でもある。

5月の世論調査はこう: 

で、こういうことを把握していれば「UKIPは衰退した」とは言えないはずなんですね。

そもそもUKIP自体が「極右」というくくりで見てると見誤る性質の政党だったし(BNPやNational Frontとは違うんで)。

 

連ツイの別の枝葉: 

「SS党」は参政党のことで、検索除けのための表記です。ガザ・ジェノサイドでいっぱいいっぱいのところでちょろっとメモった程度のことを引用されるなどしてぶわーってなったらたまらないので検索除けしてある。インターネット老人会しぐさ。参政党については、古谷さんの分析に納得してます。私の知ってる範囲でもそういう感じ。手作りのお弁当を宅配している個人のお店にポスターが出現している、というイメージ。

……「これまで自民党立憲民主党を支持してきたが、今回は参政党に入れる予定だ」という人はほぼ絶無であり、いい歳(40代、50代)にもかかわらず、生まれてこの方一度も投票したことがない、という人が相当程度多い。

 

 彼らはその時々に支持政党を変え、固定的な支持政党を持たない所謂無党派層」ですらない。そもそも、世の中には与党と野党があり……―、などという新聞やニュースなどをある程度読んだり見ていたりすれば誰でも何となくわかっているだろう、政治的マトリックス(座標軸とも言う)が頭の中に一切存在していない。

 

 だから、右翼とは?左翼とは?という漠然とした思想地図にも無知である。

――古谷経衡「参政党支持層の研究」 2025年6月26日

「植松」は、施設で入所者を殺して回ったあの大量殺人犯。彼も先行の政治思想にはまったく無知だった。何らかの形で思想が入っていたことは十分に考えられるが(アニメや漫画でもあの思想は否定的に言及されていたりもするだろう)、自分で考え、自分で判断していると少なくとも本人は思っていた。そういう「政治と無縁」なところからあのようなことが発したことを、私も受け止められなかった。

 

さらなる枝葉: 

アメリカ合衆国は、最終的に「赤か青か」の二者択一になるので、基本の認識がある程度雑でもなんとかなっちゃう。欧州はそうはいかないです。フランスとか、私にはもうさっぱりわからない(サルコジのころまでの図式は通用しない)。あと、英国はこれまでは二者択一(二大政党制)だったけど、崩れてきている。「英国」というくくり自体も崩れてきているけど、そっちは崩れたあとにどうなるという展望もない(スコットランドのSNPがもう勢いを失ったし、カリスマ性のある人も見当たらない)ので、このまま現状維持だと思います。アイルランドを除いては。

 

あと、ごめんなさい、noteじゃなくてはてなブログです。

 

連ツイは以上です。

 

あと、追記いただいたことを受けてのさっきの連ツイもまとめておきます。

原著は下記っすね。電子書籍Kindle)のサンプルがかなりたっぷり読めるので、見てみてください。読める部分は前書きというか「本書の使い方」「本書の考え方」のようで、私は体裁だけ見て「あー」ってなって、中は読んでない。Nationをベースに考えてますよっていうことはタイトルで言ってますね。

 

 

 

「極右」イコール「ナショナリスト」というのは元からちょっとアレなんですが(ある議論の前提をそう設定することと、それが事実であるかどうかは別)、その話はまた。あと、「左派ナショナリズム」は以前から普通にある概念っすね。アイルランドのシン・フェインやスコットランドのSNP、ウェールズのPCなどを参照。

en.wikipedia.org

ナショナリズム」イコール「極右」ってのもおかしな思い込みで、パレスチナ連帯の街頭の現場でグランドルールだかグラウンドルールだかで「いかなるナショナリズムも禁止します」と宣言しておいて、パレスチナナショナリズムど真ん中のスローガンを叫んでいる、といったことも現にあったわけですが(さすがにそれはおかしいということはすぐに気づいたのか、「ナショナリズム禁止」条項に出くわすことはすぐになくなった)、「ネイション」「ナショナリズム」について考えたことがない人は、一度、考えてみるといいと思います。

 

 お。検索ってしてみるもんですね。

佐原徹哉さんにはボスニア内戦についての本があります。

 

 

 

 

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