Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

be gone, 現在完了の受動態(イスイス団は組織としては終わったが、被害者にとって事態はまだ終わっていない)

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今回の実例は、前回と同じ記事から。背景解説などは前回のエントリをご参照のほど。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

何人かのコメントが1本の記事としてまとめられているこの記事から、前回は1人目のナディア・ムラドさんの発言を見たが、今回は2人目のアレッポ県で犠牲者の特定作業に携わっているカリファ・アルクデルさん(26歳)のコメントから。

カリファ・アルクデルさんはアレッポ県で、「イスラム国」を自称する集団(以下「イスイス団」)によって殺害され、墓標もなく雑に埋められた遺体(英語ではこのような遺体の埋められている場所をmass graveと言う)がどこの誰であるかを特定する作業に携わっている。

このような作業で広く知られているのは、1990年代のバルカン半島での暴力、特にボスニア紛争での暴力の犠牲者の特定だろう。発生から25年が経過してもまだ新たに多くの遺体が埋められているのが発見されているような状況で、虐殺の規模に改めて戦慄を覚えざるをえないのだが、掘り起こされた遺体の特定の作業も、非常に難しい。このトピックについては英国のメディアではときどき記事が出ており、ガーディアンの下記記事(2016年)は特にお勧めしたい内容である。

www.theguardian.com

 

訃報が伝えられたばかりの緒方貞子さんは、90年代に世界各地で続発したこの種の暴力で家を追われた人々のために、国連難民高等弁務官として、尽力され、「人間の安全保障」という理念をアマルティア・セン氏とともに打ち立てた方である。

 

本題に入ろう。

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2019年10月28日、the Guardian

キャプチャ画像の2番目のパラグラフより: 

Isis is gone and its leader has been killed but people are still waiting to find out the fate of their children.

 《be gone》はちょっと変わった表現に見えるかもしれない。goは自動詞なので受動態を作らないわけで、その過去分詞がbe動詞と結びついているのは奇異に映る。

実はこのgoneは形容詞として扱われている。意味は「過ぎ去った、行ってしまった、なくなった」など。

  The money is gone

  (その金ならもうない)

ここでカリファ・アルクデルさんが "Isis is gone" と言っているのは、「イスイス団はアレッポ県から立ち去ってしまってもう戻ってこない」という意味でもあり、「イスイス団はもう過去の存在だ」という意味でもあるだろう。日本語の俗語でいえば「オワコン」だ。

 

アルクデルさんは、これに続けて《等位接続詞》のandでつないで、"its leader has been killed" と述べている。つまり「組織としてはもう終わった存在であり、さらに、指導者ももう殺された」ということだ。

ここで使われているのは「既に~してしまった」と《完了》の意味を表す《現在完了》の受動態である(《be + 過去分詞》のbeがhas beenとなっている)。

 

そのあと、やはり《等位接続詞》のbutでつないで、アルクデルさんはこう述べている: 

but people are still waiting to find out the fate of their children.

 この部分は、上に引用した前の部分(地の文)の下記の一文と対比させて読みたい部分である: 

scores of families across Syria have still not found missing relatives

 つまり、are still waiting to find = have still not found という流れのある文章である。

 

このくだりについての連続ツイート:

 

 

参考書:  

ジーニアス英和辞典 第5版

ジーニアス英和辞典 第5版

 
徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

 
英文法解説

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