Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

「史上最多〇度目」の表し方, 報道記事の見出し(2019年のバロンドール)【再掲】

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このエントリは、2019年12月にアップしたものの再掲である。

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今回の実例は、サッカーのバロンドールのニュースから。

バロンドール」はサッカーの最優秀選手に与えられる賞で、サッカーを専門とするジャーナリストたちの投票で決定される。フランスのサッカー専門誌が創設した賞で、名称はフランス語のBallon d'Or(「黄金のボール」の意味)である。

その賞の受賞者が、日本時間で今朝がた、発表された。すでに日本語でも報道が出ている。

www.soccerdigestweb.com

www.soccer-king.jp

こういった報道でよく使われる「史上最多〇度目」の英語での表し方を、今回は見てみよう。記事はこちら: 

www.bbc.com

 

 「史上最多〇度目」は見出しに入っているので、若干「出オチ」感もあるが……

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2019年12月3日、BBC News

まず、「報道記事の見出しでは、冠詞は省略される」というルールを思い出していただきたい。この記事、見出しと第一文はほぼ同じ文だが、見出しでは冠詞が省略されている。

見出し: 

Lionel Messi: Barcelona forward wins Ballon d'Or for record sixth time

本文: 

Barcelona forward Lionel Messi has won the Ballon d'Or ... for a record sixth time.

 

ここで用いられているrecordは、辞書によっては「形容詞」としてエントリーされているかもしれないが、名詞が形容詞的に使われているという例だ。

「名詞が形容詞的に使われている」というのは、英語では非常によくあることで、いちいち気にしないことが多い。例えばcabin attendantのcabinは「旅客機の客室」の意味の名詞だが、「客室(で働く)乗務員」のように、「乗務員」という名詞を修飾する形容詞として用いられている。

今回の実例のrecordもそれと同じ。意味は名詞で「記録」だが、それがこのように形容詞的に使われることで「記録的な」「記録破りの」の意味になる。この場合、不定冠詞のaを伴うことが多い。

  a record number of typhoons

  (記録破りの数の台風)=「台風の発生件数が史上最多となった」ということを表す

 

今回の実例では、sixthという序数詞があるので、通常、冠詞は定冠詞のtheがついてくるはずなのだが、この例ではこのような事情で不定冠詞のaが用いられている。

 

もうひとつ、注目点としては、見出しでのコロン (:) の用法がある。これは報道記事の見出しでざっくりと《トピック》を表す用法。Google Newsを英語で見るなどしてみれば、たくさんの用例に気づくだろう。

   Climate change: Experts Warn of Disaster

  (気候変動: 専門家ら、大災害を警告)

  Brexit: Deadline Extended

  (ブレグジット: 期限延長)

 

参考書:  

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

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メッシ 神と呼ばれる男 (スポーツノンフィクション)

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