Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

関係代名詞、whomを使うべきか、whoを使うべきか(ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判の結果のBBCフィード)

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今回の実例は、かなり「オタク向け」だと思う。

《人》を先行詞とする場合の《関係代名詞》について、「主格ならwhoで目的格ならwhoかwhomを用いる。thatを使ってもよい」と教わった人が日本では大半だろうし、それを前提として、「でも、今どき、whomなんて使わないですよ」という「今どき」論が出されることはよくあることで、さらにその「今どき」論に対して「でも、英国ではwhomを使うのが普通ですね」という「でも英国では」論が出されることもまたよくあることである。

というか、「今どきのネイティヴはwhomなんて使わない」というざっくりとした乱暴な断定と、「だが英国では使う」という指摘は、漫才のボケとツッコミのようにセットになっている。

しかし、その英国でもwhomよりもwhoが用いられることが多い。

それも、その辺のだれかがそうしているのではなく、BBCが率先してやっている。

そういう実例。

"Amber Heard, who he sued..." のwhoは、従来のイメージだと、英国の報道機関(それもBBC)ならwhomを使っていそうなところだ。"he" が主語で、"sued" が動詞で、"who" は目的格だからだ。しかも先行詞が固有名詞だから、非制限用法。

ところが、ここまでwhomっぽい場面でも、BBCはwhoを使っているのである。

ウェルカム・トゥ・2022年。

だからといって、「whomなど今どき全く使われない」というわけではないので、その点はご注意いただきたい。動詞の目的語ならともかく、前置詞の目的語になるときは基本的にwhomだし。

今日は短いけど、これだけ。そのうちに、BBC Newsのスタイルガイドなども参照して、もう少し分量のある形で書けたらなあと思ってはいます。

なお、この件、Twitterでちょこっと書いたら意外と反応があったので、こちらにも書いておくことにしました。

英国での関係代名詞に変化がみられるという例は、こちらのエントリもご参照のほど。

hoarding-examples.hatenablog.jp

引用: 

"the PM, the Chancellor and the PM’s wife all attended illegal parties, that breached Covid laws written by the PM" の、太字にした ", that" は《関係代名詞の非制限用法》だが、本来whichを用いるべきところでthatを用いているというイレギュラーな例である。「グラマー・ナチ」とか「文法警察」と呼ばれる人は眉を顰めるだろうし、受験でこれをやってしまうとおそらく減点されるだろうが、このように、thatを関係代名詞の非制限用法で用いる実例は、ニュース英語でもときどき見かける。

 

※1500字

 

https://twitter.com/BBCBreaking/status/1532080536478527489

 

 

 

 

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