Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

年齢の表現、分詞構文、等位接続詞、to不定詞の形容詞的用法、前置詞+動名詞、付加疑問文

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今回の実例はTwitterから。ツイート主は米ブルッキングス研究所のシニアフェローで、国家安全保障(つまり軍事)を専門とする Benjamin Wittesさん

ツイート1つ分の短い文だが、文法項目がてんこ盛りになっている。内容もおもしろい。いわゆる「アメリカン・ジョーク」の印象を受ける人も多いだろうが、「ジョーク」ではなく実話だそうだ。

 

 

目次: 

 

年齢の表現方法

年齢をいう表現は、国公立大二次試験などで出題されることが多い自由英作文などで頻出なので、「英語で書かれているものを読んでわかる」だけでなく、「自分で英語で書ける」ようにしておかねばならないのだが、案外見過ごされがちだ。模試などで出てきて、うろ覚えのまま適当に書いて減点を食らってしまったことがあるという人は少なくないだろう。グラフを読み取って英語で説明する問題で、例えば「20歳から29歳の人々の間では……だが、一方で40歳から59歳の場合は~」と書きたい場合、年齢を言う表現がすっと出てこないと、時間のロスにもなるし、いろいろと困るわけだ。受験生は、早いうちにしっかりと覚えておこう。もちろん、社会人として使う英語でも常識の範囲内である。

 

基本的な表現は下記の通り。

  アダムは9歳だ。  Adam is nine years old. 

  アダムは9歳の男の子だ。  Adam is a nine-year-old boy. 

上の例文では、nine years oldとyearが複数形になっているが、下の例文ではその複数のsが取れて、各語をハイフンでつないで結合し、形容詞として機能させている。

 

この下の例文のパターンが、今回の実例で使われている形。

A 93-year-old WWII vet

これで「93歳の、第二次世界大戦を戦った退役軍人」という意味である。

 

なお、英文中で、年齢に限らず数字を使うときは、少なくとも0から12までは数字で書かずに綴りを書くというルールがある*1

  × Steve was 4 years old when he moved to Japan. 

  ○ Steve was four years old when he moved to Japan. 

 

等位接続詞で結ばれた分詞構文

さて、ここで改めて今回の実例を見てみよう。文の構造が取れるだろうか。どれが主語でどれが述語だろうか。

A 93-year-old WWII vet, rushed to an emergency room recently and informed he had hours to live offered the following before drifting into his terminal unconsciousness: ...

答えは下記の通り: 

A 93-year-old WWII vet (主語), rushed to an emergency room recently and informed he had hours to live offered (述語) the following before drifting into his terminal unconsciousness: ...

 

この主語と述語の間に入っている部分――というか、述語の前にある部分――は、過去分詞による《分詞構文》だ。それも過去分詞が2つあって、《等位接続詞のand》で結ばれている。それぞれの過去分詞の分詞構文がけっこうかさばっているので、なんかやたらと長くなってしまっているわけだ。

A 93-year-old WWII vet, rushed to an emergency room recently and informed he had hours to live 

等位接続詞については以前も書いているが、前後に同じ性質のものが来るので(だから「等位」という)、andの後が過去分詞なら、その前の過去分詞を探すことで、構造がつかめる。この練習、学校教育では意外とやらないのだが、こうやって構造をとることができないと正確な読解がおぼつかなくなるので、十分に注意が必要である。

 

to不定詞の形容詞的用法

上で見た部分の末尾、hours to liveのto liveは、《to不定詞の形容詞的用法》だ。下記の例と同じ用法である。

  The dog had no house to live in.  

  (その犬は、住む家を持っていなかった→その犬には家がなかった)

 

というわけでここまで、つまり文の主部は: 

A 93-year-old WWII vet, rushed to an emergency room recently and informed he had hours to live

第二次世界大戦で戦った93歳の退役軍人が、最近、救急搬送され、あと数時間しか生きられないと告げられて」という意味になる。

そのあと、文の述部は: 

offered the following

「次のようなことを言った」。

 

前置詞+動名詞

... offered the following before drifting into his terminal unconsciousness

 ここでは《前置詞+動名詞》の形が使われている。「~する前に」で、「最期を迎える無意識状態に落ちていく前に」という意味。

 

付加疑問文

そして、その人生の幕切れを目前にした93歳の元軍人が、意識を失う間際に口にしたという言葉に、《付加疑問文》が入っている。

"Shit. I'm not gonna see the Mueller report, am I?" 

この老人は、ドナルド・トランプが当選した2016年の米大統領選挙に対するロシアの介入疑惑を調べているモラー特別検察官の報告書を目にすることなく、自分が死んでしまうのだということを、心から残念がっているわけだ。 

見届けていただきたかったものである。

 

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2019年2月8日、Twitter @benjaminwittes

 

 

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英文法解説

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ロイヤル英文法―徹底例解

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*1:英語の表記基準というか、文章の書き方のルールブックとして定番といえる『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』では、0から100までは数字で書かずに綴りを使うようにと書かれているが、報道機関では綴りを使うのは0から12までということが多い。ただし文章として読ませる中で出てくるときは、13以上でも綴りが使われていたりするし、10以上なら数字で書くことになっているという場合もある。いずれにせよ、0から12までは綴りを使うというのが基本的なお約束なので、覚えておきたい。ちなみに私自身はそれを大学を含め学校で習ったことはなく、イギリス人の友人に指摘されて知った。詳しくはこちらこちらなどを参照。