Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【再掲】同等比較, 関係代名詞, 接続詞のas, やや長い文(「モデル」はなぜ正確に予測できないのか)

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このエントリは、2020年4月にアップしたものの再掲である。

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今回の実例も、前回と同じ記事から。

"Garbage in, garbage out" という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれない。Garbageはアメリカ英語で「ゴミ一般」のこと(イギリス英語ではrubbish, またはtrashと呼ばれる類のゴミ)で、「ゴミを入れたらゴミが出てくる」という意味だ。

何のこっちゃと思われるかもしれないが、これは計算機科学・IT分野の警句めいたフレーズで*1、「ダメなデータを入力したら、ダメな結果が出力される」ということ。だから最初から「ゴミ(ダメなデータ)」を入れるな、ということだ。

「ゴミ」というのは少々厳しい表現だが、今回見ている記事は、基本的に、そういう話をしている。つまり、予測を立てる「モデル」の元となったデータが十分によいデータでないと、その「モデル」が出す予測は十分にあてにすることができない。(なお、「よいデータでない」とは、「質的によくない」ということだが、その内容はさまざまだ。例えば必要な計測ポイントが5つあるのに3つしかないとか、ある都市の住民全体の傾向を割り出さねばならないときに、データが取れたのが60歳以上の男性に偏っていたとか、1500件のデータが必要だったのに500件しか取れなかったとか。)

今回のパンデミックのように、この先どうなるかを予測するためには、十分に正確なデータが、十分な数、必要となる。それができているとみなされているのは韓国とドイツで、どちらも検査をたっぷり行っている。

前置きはこのくらいにして、記事はこちら: 

www.theguardian.com

前回見たところのずっと下、記事の終わりのパラグラフ: 

f:id:nofrills:20200409051423p:plain

2020年4月7日, the Guardian

最初の文: 
Models are only as good as the data that goes into them.

《as ~ as ...》の《同等比較》だ。「〈主語〉は…と同じくらい~だ」、「〈主語〉の~度は…と同等だ」の意味。ここではそれにonlyがついているので「同等でしかない」となる。これは「〈主語〉は…よりももっと~であるということはない」と意味を取ると、日本語で理解しやすい訳文になる。

下線で示した "that" は《関係代名詞》でここでは主格。

以上、まとめると「モデルの質は、それに入れられたデータの質と同等でしかない(より高品質になるということはない)」。

  

次の文: 

As time goes on, we will learn a lot more about the outcomes of this pandemic in countries around the world and the effectiveness of policies in mitigating the worst outcomes.

文頭、太字で示した "as" は《接続詞》のas. ここでは "as time goes on" というなかば成句化している表現が出てくる。「時間が経つにつれて」という意味だ。

その後の部分は、やや長い文ではあるが、構造は単純だ。スラッシュを入れて読んでみよう。

we will learn a lot more / about the outcomes ( of this pandemic  ) (in countries around the world )  / and the effectiveness of policies ( in mitigating the worst outcomes).

ここまで分析できれば、あとは単語さえわかれば読めるだろう。

文意は「時間が経つにつれて、世界各国におけるこのパンデミックの結果について、および最悪の結果を抑制するという政策の実効性について、より多くのことがわかるだろう」。

 

参考書:  

英文法解説

英文法解説

 
ロイヤル英文法―徹底例解
 

 

 

*1:現在では、計算機科学・IT分野を離れたところでもこのフレーズがかなり定着してきていて、「議論の前提がぐだぐだだと、議論の結論もぐだぐだになる」といった場面でも用いられるようになっている。

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