Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

付帯状況のwith+過去分詞, 語義のわからない単語が出てきたときの読み方, など(アフリカ諸国と、ロシアによるウクライナ侵攻)

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今回の実例は、少し前にBBC Newsのサイトに掲載された専門家による解説記事から。

BBC Newsには時おり、特に国際情勢に関して、王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の専門家が解説記事を書く。この2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻に関しても、チャタム・ハウスの専門家の解説記事が出ている。

今回見るのはそのひとつで、この侵略(国際法違反行為)についてのアフリカ諸国のスタンスを解説するものである。

この3月以降、国連安保理や国連総会の緊急特別会合で何度か、ロシアに対する非難の決議が採択されており、その様は以前の国連の様子とはかなり違うし、制度的にも小さな改革が進められてはいるのだが、あのような明々白々たる国際法違反に際しても、国連という場で加盟国がひとつになって違反者(ロシア)を非難するということにはなっていない。例えば3月上旬の国連総会緊急特別会合での決議では、賛成が141、反対が5で棄権が35という結果になった

www3.nhk.or.jp

このときに、明確に反対に回った国でロシア以外の4か国については、「あー、はいはい」という感じだから報道でも名前が列挙されるくらいで深い解説は必要とされなかったのだが(ちなみに、シリア、北朝鮮ベラルーシエリトリアである)、棄権した35か国については、「中国やインドなど」というふうに、大国の名前を挙げることで説明の大半が済まされてしまいがちである。

だが、それだけでは、現在の世界の様子は見えてこない。

例えば、アルメニアが棄権に回っているのだが、これは2020年に再燃したナゴルノ・カラバフ紛争を背景として、アルメニアとロシアの関係を見る必要がある。

ちなみに、ナゴルノ・カラバフ紛争については『みかんの丘』という映画を見るとよい。細部というか一人の人間の目線から見えることについては、現在のウクライナ侵攻と重ね合わせて見ることもできるだろう。(こういう映画を日本語圏に入れてくれていた岩波ホールがこの7月で機能を停止してしまうので、この先、日本語圏はますます情報砂漠になると心配なのだが。)

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閑話休題先ほど見たNHKの記事に、棄権に回った35か国の名前が箇条書きされているのだが、それをざっと眺めると、アフリカの国が多いことに気づくだろう。

今回見るBBC News掲載のチャタム・ハウスの専門家の解説記事は、そのことについての解説である。記事はこちら: 

www.bbc.com

まずは、記事の上部、見出しの下に

By Paul Melly

Africa Programme, Chatham House, London

というクレジットがあることをご確認いただきたい。

今回実例として見るのは、記事の書き出しから2パラグラフ目以降。最初のパラグラフでは、ロシアによる侵攻が始まって以降、ウクライナのゼレンスキー大統領が非常に頻繁に、世界各国の国会などにリモートで登場して、支援を求めて演説をしている、ということが書かれている。そして第2パラグラフでは、6月20日の月曜日に、AUアフリカ連合)の会合で同じようにゼレンスキー大統領のリモート演説が行われたときの様子が説明されている。キャプチャするときに1行目を落としてしまったのだが:

https://www.bbc.com/news/world-africa-61802498

But when he spoke to the African Union (AU) on Monday only four heads of state from the continent listened in, with the others represented by subordinates or officials.  

太字にした部分は《付帯状況のwith + ~ + 過去分詞》の構文である。「~が…された状態で」の意味。ゼレンスキー大統領がアフリカ連合でスピーチを行ったときに国家元首が出席して聞いていたのは、アフリカ大陸の国々のうちわずか4か国にすぎず、他の国々は「国家元首より位の低い者や官僚によって代表された状態で」あった、ということだ。

ちなみに、アフリカ連合の現在の加盟国数は55か国であるという。ウクライナ国家元首のスピーチを国家元首が聞くという外交的な儀礼を尽くしたのはその中の4か国だけだったというのだから、もう圧倒的に少ない。

なぜそうなのか、ということを、この文章ではこれから解説していく。【以下書きかけ】

The disappointing turnout was symptomatic of the unequal struggle that Kyiv faces in getting across its message in a continent of 54 countries where it has just 10 embassies - only a quarter of the Russian presence.  

 

So, in trying to shift African perspectives on Russian President Vladimir Putin's invasion, Mr Zelensky cannot deploy political or security clout comparable with Moscow's.  

 

Ukraine is not a global military power and it is not a permanent member of the UN Security Council, unlike Russia.  

 

As a result, many African leaders have concluded that they simply cannot afford to emulate direct Western confrontation with Moscow.  That is particularly the case now that the blockage of grain export shipments from Ukraine is contributing to an already serious food crisis, driving up the price of imports and jeopardising the flow of wheat, other cereals and cooking oil to African countries that are not self-sufficient.

 

 

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