Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

省略, 使役動詞makeの構文, 現在進行形, ぱっと見はtoo ~ to ...構文に見える形式主語の構文, など(ティエリ・アンリがSNSを離れた)

今回の実例は、前回の続きで、SNSと距離を取ることにしたティエリ・アンリのインタビューでの発言より。アンリがどういう人かなどの説明は、前回のエントリをご参照のほど。今回はさっそく本題に入ろう。記事はこちら: 

www.bbc.com

なお、今回はぜひ、この記事ページに埋め込まれている映像でアンリが語っている音声を聞いていただきたいと思う。発音には、アンリの母語であるフランス語の影響はもちろんあるのだが、それはあまり強くはなく、さらに、発話のペースは英語として非常にナチュラルなものである。また、BBC Newsの記事の文面は、アンリの発言をそのまま文字化したものではなく、多少「文章整理」的なことが行われており、元発言にある語が省かれている部分があったりもする(そういう加工はほとんど加えられていないと言える程度だが、無編集・無加工ではない)。

続きを読む

年齢の表現, ひとまとまりの文章の中で繰り返しを避けるための言い換え表現, too ~ to ...構文, など(ティエリ・アンリがSNSを離れた)

今回の実例は、インタビューでの発言から。

ティエリ・アンリといえば、1990年代終盤から2000年代にかけてのサッカー界のスーパースターのひとりである。2014年に現役引退したが、フットボーラーとして一番の時期に在籍していたイングランドアーセナルでは今も「キング」であり、多くの人々の尊敬を集めている。

その彼は、現役時代からサッカー界の人種差別という問題に取り組んできた。2004年に代表戦で相手となったスペインの(よりにもよって)監督から、黒人であることで侮辱的な言われようをしたことがきっかけで、スポンサーのNikeと組んで、Stand Up Speak Upという人種差別反対のキャンペーンを開始した(これは組んだ相手がNikeだったことで批判も受けたのだが)。

アンリが現役だったころのフットボール界での人種差別、特にフランスでのそれについては、陣野俊史さんの下記の本に詳しい。 

サッカーと人種差別

サッカーと人種差別

 

そのアンリが、先日、人種差別発言の横行を理由として、ソーシャルメディアから離れること (removing himself from social media) を宣言した。TwitterFacebookInstagramも全部(一時的に)やめてしまうという。Twitterでも、長文をスクリーンショットで投稿する形でステートメントが出されていたが、アンリのアカウントはそのツイートも含め過去のツイートが全部削除されて「跡地」の状態になっているので、その文面はもう参照することができない*1。ただ「ソーシャルメディアから離れる」という宣言のツイートそのものの文面は、私がはてなブックマークにメモしてあったので、前半だけ見ることができる。人種主義が絡んだ話になると日本語圏ではことが面倒になることがあるのだが、こういうことについては事細かに「エビデンス」を要求する方々には、それをもって、アンリがSNSをやめたという事実確認の根拠としていただきたい*2

今回の実例は、そういう決断をしたアンリにそれについてインタビューしたBBCがまとめた記事から。記事はこちら。

www.bbc.com

なお、アンリはフランス出身のフランス人だが、イングランドで長くプレイしていたし、現役引退後はイングランドのTVでサッカー解説の仕事をしていたこともあり、英語は「ネイティヴ話者なみ」である。

*1:個人的には手元に保存してあるが、アンリ本人がネットから削除してしまったのだから、これはこのまま手元に置いておくだけにする。

*2:ついでに言うと私はもっと具体的な、ツイートそのものも保存してあるし、実はネット上でもアーカイヴはされているのだが、アンリ本人が既にネットから削除してしまったものについてここで取り上げることは差し控える。

続きを読む

※今回はお休みします。代わりに本家ブログをご覧ください。

今回は、本家のブログを書いていたので、こちらの英語実例ブログはお休みします。

本家のブログである文章の全文を英日対訳で示してあるので、よろしければそちらをご覧ください。《関係代名詞》《付帯状況のwith》などが入っています。ただし、日本語の訳文は参考書の流儀ではなく普通の流儀で作ってあり、それら文法事項について理解が深まるように考えてあるわけではないので、英語学習という目的で見るならば、私がつけた日本語版は見ずに、英語版だけを見たほうがよいかもしれません。

nofrills.seesaa.net

 

ファルージャ 2004年4月

ファルージャ 2004年4月

 

 

 

倒置, be + to不定詞, 省略, など。(カズオ・イシグロの新作を英語で読んでみよう)

今回の実例は、前々回(3月24日投稿)と同じく、カズオ・イシグロの最新作『クララとお日さま』の原著(英語)より。 

クララとお日さま

クララとお日さま

 

ちなみに「クララ」は原著では "Klara" で、これはClaraの別綴りであるが、言葉としてはclearという語とつながっている。こういう連想が働くかどうかもカギのひとつとなるフィクションだが、Amazon Kindleで試し読みできる部分だけでもそういったことが感じられると思う(けっこうたっぷり読めるので)。

さて、前々回(3月24日投稿)では、この物語の語り手であるKlaraがとてもかっちりした、いわばお手本のような英語を使っているということを述べ、実例としては《強調》で副詞節が前に出たために、主節でSとVの《倒置》が起きている個所をみた。このなんだかクラシカルな印象を与える構文は、この作品では繰り返し出てくる。Klaraはそのように「学習」しているのだろう。今回は、前に見た個所の少し後に出てくる2つ目の《倒置》の構文を見てみよう。

なお、今回は少しだけ作品の内容に触れている。とはいえ、「ネタバレ」になるようなことではなく、日本での出版社が宣伝のために書いている文で堂々と出している部分にあるのと同じ程度だが、それでも、本当にまっさらな状態で一切の先入観なく、作品そのものを最初に読みたいという方は、今回の当ブログはこの先に進まないほうがよいだろう。(私は今回そういう読み方をして、そしてとても楽しめている。)

続きを読む

現在完了の受動態, 引用符の使い方, there is said to be ~, 不定冠詞の用法, 使役動詞, 接続詞though(サセックス公夫妻の "引退")【再掲】

このエントリは、2020年1月にアップしたものの再掲である。

-----------------

今回の実例は、「ハリー&メーガン」ことサセックス公夫妻の突然の "引退" 宣言についての、わりと早い段階での報道記事から。

前回、王族主要メンバーによる直接会合(というかおばあちゃんとパパと息子たちの家族会議)を受けてのエリザベス女王ステートメントを取り上げたが、実はこのエントリをアップするつもりで準備してあった。ステートメントが出て、その文面が素材としてよかったので順番が逆になってしまったが、今回の記事は、サセックス公夫妻の突然の宣言についての衝撃のさなかで、まだ詳細がわかっていなかった(語られていなかった)ころの報道記事である。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

 

続きを読む

助動詞+have+過去分詞, prefer O to do ~, 接続詞though(エリザベス女王のステートメント)【再掲】

このエントリは、2020年1月にアップしたものの再掲である。

-----------------

今回の実例は、真の意味での「クイーンズ・イングリッシュ」から。といっても何か特別な言い回しがあったりするわけではない(と強調しておくのは、とにかく英文そのものを読んでもらいたいからだ)。

言うまでもないかもしれないが、今の英国(イギリス)の国家元首エリザベス女王で、次の国王となるのが息子(長男)のチャールズ皇太子、その次の国王となるのはその息子(長男)のウィリアム王子(ケンブリッジ公)である。なお、子供がたまたま男ばかりだが、英国の場合は(日本の皇室と違って)女性でも王位に就くことを邪魔されない(エリザベス女王を見ればわかる通り)。

ウィリアム王子にも子供(息子)がいるので、チャールズ皇太子やウィリアム王子の弟・妹たちは王位継承権という点では下位に位置する。つまり、将来英国王となる可能性は極めて低いという立場の王族たちだ。

チャールズ皇太子の弟が、昨今性犯罪が注目されているアンドルー王子(ヨーク公)と、エドワード王子(ウェセックス伯)。ウィリアム王子の弟がハリー王子(サセックス公ヘンリー)である。

そのハリー王子が、王族のシニア・メンバーの地位を下りると突然宣言したのが1月8日。以降、英国のメディアは連日(イラン情勢やオーストラリアの火災といったニュースと同時に)その話をしている状態で、ノイズも根拠不明なゴシップもとても多いようだ(あんまり見てないからよく知らない)。

そういう感じで何日か過ぎたあと、1月13日に王室のシニア・メンバーたち(つまり女王、皇太子、ウィリアム王子)とハリー王子が直接、女王の私邸であるサンドリンガム・ハウス(イングランドノーフォーク州)で会って話し合いをした。その話し合いが終わったところで、エリザベス女王ステートメントを出した。今回の実例はそこから。記事はこちら: 

www.theguardian.com

「上流階級調のイギリス英語」のことを俗に「クイーンズ・イングリッシュ」と言うが、今回のこのステートメントは女王名義なので、文字通りのクイーンズ・イングリッシュである。

といっても、特に何か特徴的な言い回しがあるわけではない(大事なことなので二度言いました)。普通に大学受験生が知っているような文法の知識で読める英文である。

続きを読む

最上級と所有格、【ボキャビル】take ~ for granted, affordなど(国連事務総長のツイート)【再掲】

このエントリは、2020年1月にアップしたものの再掲である。

-----------------

今回の実例は国連事務総長のツイートから。

2020年は、いきなり、米軍が大統領の命令でイランの革命防衛隊のクッズ(コッズ)部隊トップをイラクバグダードで爆殺するという、普通に考えてめちゃくちゃなことで幕をあけた。それが現地時間で2日夜のことで、そのあと数日間はどうやっても擁護のしようがないアメリカの行動を擁護する無理ゲーのプレイヤーたちの過剰で執拗な喚き声と、「アメリカとイランが一触即発」という緊張感に世界中が包まれていたが、9日の時点で、最終的には(と言ってよいと思う)双方がこれ以上の緊張悪化を望まないと言明するという形で、当面の危機は回避された。

web.archive.org

この流れ(衝突回避)が確定的になったとき、Twitterにはさまざまな発言が流れてきていたが、そのひとつが国連事務総長アントニオ・グテレス氏のものだった。

 

続きを読む

even if ~, be regarded as having ~, the+最上級 ~ everなど(古賀稔彦さん死去)

今回の実例は、英語版ウィキペディアから。

1992年のバルセロナ五輪で金メダリストとなった柔道家古賀稔彦さんが、53歳という年齢で亡くなったことは、英語圏でも伝えられている。

私は柔道のことは道着の縫い目のひとつほども知らないが、どこかすれ違う程度の縁を得た、日本に関心のある人(特にアニメだゲームだとさわぐようになる前に日本に関心を抱いた人の中には、柔道と接点があった人がわりとよくいた)が、Kogaという名前を出して、"the greatest of all time" と、今ならGOATという略語にされるような表現で語っていたことがあったと、ずっと忘れていたようなことを、訃報に接して思い出した。

 「古賀稔彦は、柔道界のマイケル・ジョーダンのような存在だった」と書き出されているこの文は、そのあとでその内容を具体的に説明しており、《トピック・センテンス》の次に《サポート・センテンス》という英語の書き方のお手本のようだ。

 「たとえ~でも」の《even if ~》を使って「たとえあなたが、柔道やマーシャル・アーツ(格闘技)について何も知らなくても」と前置きして、「これを見れば、何か普通でないことが起きているということがわかるかもしれない」と古賀氏のすごさを示す映像を紹介するツイート。残念ながら、本当に柔道について何もわからない私には、「すごい、軽々と一本背負いしている」ということしかわからないが、ここでは古賀氏は「10の別々のこと」を一緒におこなって、あの見事な技を決めているのだという。

本当にすごい技能を持っている人は、軽々とやってのける。楽器の演奏でも、工芸でも、スポーツでもそうだ。素人には「すごい」ということしかわからない。「よくわからないけどすごい」のだ。そしてもちろん、その背後には、素人には見えないような努力と鍛錬の積み重ねがある。 

古賀稔彦さんの英語版ウィキペディアのページは、私が訃報に気が付いたときには既に更新されていた。その冒頭、その人物についての概略を端的に述べる部分に、ウィキペディアらしからぬ、というか書き言葉らしからぬ次のような一文があるのに気付いた。

続きを読む

倒置, 「~したものだった」のwould, andによる接続(カズオ・イシグロの最新作を英語で読んでみよう)

今回の実例は、話題の本から。

これ。 

クララとお日さま

クララとお日さま

 

英語版も日本語版(を含む各国語版)も同じ日、3月2日に発売となったこの作品、英語版は言うまでもなく日本語版も紙の書籍と同時に電子書籍も出ていて、各ネット書店・電子書籍信販売元で最初の方が試し読みできるようになっている。

その試し読みを両方読んで、私はこれは先に英語で全部読んでから日本語訳を読もうと思ったので、まずは英語版を購入して少しずつ読み進めている。日本語版は紙でも電子でも2,750円するが、英語版の電子書籍なら1,000円台だ。

全編を通じて "I" が語っている一人称小説だが、この "I", すなわちKlaraがとてもかっちりした英語を使うので、受験英語をしっかりやっている人ならほぼ難なく読み進められるだろう。ところどころ、Klara以外の誰かの発言としてカギカッコでくくられている中で、口語的に崩れた表現が出てきたりもするが、それもさほど読みにくくはない。物語の書き方としてもあまり小難しい感じではなく、なんというか、素直な英文だから、新学期が始まるまでの間に何か読んでおきたいな、というようなケースにはぴったりだろう。

で、この本の英語版は、紙の本も電子書籍も、英国版と米国版が出ている。英国版はFaber & Faberという出版社で、米国版はKnopfという出版社だ。表紙が違うので見分けがつくが、中身は、試し読みできる電子書籍の見本部分で確認した限り、どちらも同じである。通例、英国の作家が書いた作品は英国式の綴りや単語が使われているので、米国版はそこを米国式に微修正するのだが(例えばcolourはcolorと差し替えられ、realiseはrealizeに置き換えられる。もっと大きな修正例では、英国では Harry Potter and the Sorcerer's Stone だった作品が、米国では Harry Potter and the Philosopher's Stone にされ、ニュアンスが抜け落ちてしまったことがある*1)、Klara and the Sunでは英国版でもcolorという綴りが使われている。これはおそらく、作家によるKlaraというキャラクターの造形の一部だ――Klaraはアメリカ英語を使う。Klaraは20世紀後半以降、アメリカで発展してきた「計算機科学の子」だからだ。この作品は、Klaraが見聞きしたこと、"感じた" こと、"考えた" ことや "推測した" こと、つまりKlaraのmindがどう動いたかを、Klara自身が言葉にして、"I" の主語で書き綴っているという体裁の物語であり、"color" という綴りを使っているのは、作者のカズオ・イシグロではなくKlaraなのだと私は読みとっている。(そう読んでいるのは私だけではないと思うが、作品を読み終えるまでは書評・評論は意図的には見ないようにしているので、未確認。)

ともあれ、作品について立ち入るのは当ブログの仕事ではない。Amazonでも英国版、米国版両方の電子書籍があるが、このようなわけで、どちらを買っても同じである。「colorじゃなくてcolourって書いてないと読みづらいんだよね」という英国式綴りに最適化されている目の持ち主には若干つらいかもしれないが、選択の余地はない。

ではどちらを買うかというと、今のところ、価格が違うからそれで決めればいいと思う。Amazon Kindleでは私がチェックしたときは英国版が1,500円くらいだったが、今は1,100円しない程度になっている。 

私が買ったときは楽天KOBOの方が安かったのでKOBOで購入したが(余談だがKOBOは元々カナダの会社なので、英語の書籍が充実している)、今ならKindleの方が安い。専用端末でなく、スマホやPCのアプリで読むなら、どちらを買っても同じだ(ただしスマホ・PCのアプリは、Kindleの方が、同期やメモの使い勝手がKOBOアプリよりも数倍よい。というかKOBOのアプリはかなりタコで、イマイチ便利さに欠ける)。

 

Klara and the Sun 【電子書籍】[ Kazuo Ishiguro ]
価格:1181円 (2021/3/24時点)

 
楽天で購入

 

 

米国版はこちら。米国版は、現時点で、KindleKOBOでは300円以上の価格差がある。 

Klara and the Sun: A novel (English Edition)

Klara and the Sun: A novel (English Edition)

 
 

Klara and the Sun A novel【電子書籍】[ Kazuo Ishiguro ]
価格:1755円 (2021/3/24時点)

 
楽天で購入

 

 

というわけで、今のところでは一番安いのはKindleの英国版、次がKOBOの英国版だ。

自分に読みこなせるかどうか不安だという場合は、Kindleのサンプルを見てみるとよい。サンプルでもかなりたくさん読めるようになっているから――私のスマホの画面で450ページ分――、自分の英語力で読めるかどうかを確認するくらいは余裕でできるだろう。

今回の実例はこのサンプル部分から。小説の文面をばーんと貼るのは抵抗があるので、実例の出てこないパラグラフはマスクしてある。文中、Rosaとあるのは語り手のKlaraの友達である。

f:id:nofrills:20210324074523j:plain

https://www.amazon.co.jp/Klara-Sun-English-Kazuo-Ishiguro-ebook/dp/B08B8BDLW1/

キャプチャ画像内でハイライトしてある部分の前半では、《倒置》が起きている。《強調》のためにonlyのついたwhenの副詞節が前に出たことで、主語と述語が逆転して、「S+助動詞+動詞の原形」の語順ではなく、「助動詞+S+動詞の原形」の語順になっている。

Only when I pointed out something to her would she turn her head

これを倒置でない(つまり通常の)語順にすれば、 "she would turn her head only when I pointed out something to her" となる。文意は、「だ・である」調で直訳すれば、「私が彼女に何かを示したときにだけ、彼女は頭の向きを変えた」。

ハイライト部分の後半から: 

but then she'd lose interest and go back to looking at the sidewalk outside and the sign.

太字にした "she'd" は、ここでは "she would" の省略である。このwouldは、文章を書いている時点から過去を振り返って「~したものだった」と述べるときに使うwouldである。

下線で示した "and" は何と何をつないでいるだろうか。直後が "go" という動詞の原形だから、この "and" はその前にある動詞の原形と "go" をつないでいると考えられる。つまり、 "she'd lose ... and go ..." という構造だ。というわけで、文意は「しかしそうすると、彼女は関心を失い、外の歩道と標識を見つめることに戻ったものだった」(直訳)。

こんな感じの英文だ。読めそうだなと思った人は、まずはサンプルだけでも読んでみてほしい。 

 

 

英文法解説

英文法解説

 

 

*1:ちなみに、この作品の英→米での修正例は、英語版ウィキペディアで米国版について記載するセクションで、一覧表でいくつか具体例が整理されている。表になっているのは、英国のjumperが米国ではsweaterにされるなど一般的な修正が多い。

「海外からの~」「外国の~」の表し方, due to ~の2つの用法・意味, 付帯状況のwith(東京五輪は、国外からの観客なし)

今回の実例は、Twitterがまとめているニュース系フィードのページから。

3月21日、何が何でも開催を強行するらしい東京オリンピックパラリンピック大会に、日本国外からの観客は入れないという決定が、正式に表明された。それは当然、即座に「国際ニュース」として英語でも伝えられ、それなりに注目の的になって、Twitterが ../events/ のURLでやっている「ニュースのまとめ」に掲載された。

twitter.com

この画面、Twitterの方針がいろいろ変わっているので、タイミングによっては、Twitterユーザー個々の言語設定によって表示されているものが英語ニュースだったり日本語ニュースだったりするかもしれないが、Twitterを英語で使っている私の環境では下記のキャプチャのようになっていた。

f:id:nofrills:20210323070204p:plain

https://twitter.com/i/events/1373232436142743558

この文面、短いが、けっこういろいろと学べるものがある。

この件では日本語圏の報道も「海外観客」「海外からの観客」という言い方をしているが、五輪という文脈がない場合の日本語圏での日常の表現では「外国人(観光客)」だ。そして、食堂などで親切心から、「外国人の皆様へ。英語メニューあります」ということを英語で表示するときに、この「外国人」を直訳して"foreigner" という表現を使ってしまい、気を悪くされる、といったケースもある。Foreignerという単語は、日本で英語を習っていれば非常に早い段階で覚える単語なので、日本では誰もが知っているから、英語が使えない人でも何となく使えてしまうのだろう。だが、この単語はあまりよい響きの単語ではない。全くの親切心からやっていることでお客さんの気分を害してしまうのは不幸なことで、避けた方がよいのだが、ではどう表現すればよいかというと、ここにあるような「海外からの~」の表現を使えばよいのである。

上記ページの見出しには: 

Spectators from overseas

とある。これが「海外からの観客」の意味だ。これを応用すれば、"customers from overseas" という言い方ができるということに気づくだろう。この表現はまったくもって穏当な表現で、日本語でいえば「海外からお越しのお客様」くらいのニュアンスで使える。

ただ、「英語メニューあります」という表示には、「海外からお越しのお客様へ」という断り書き自体が不要で、単に "English menu(s)*1 available." とか "We have English English menu(s)." と表示しておけばよい(余談だが、この「メニューあります」を "There is ~" で表すのは奇異である。和文英訳としては「まあ、そういうふうにするっちゃーするんだけどもー」と苦笑せざるを得ないが、翻訳としては苦笑の余地もなく、完全に誤訳となる)。

*1:menuは場合により単数形のことも複数形のこともある。

続きを読む

主語がめっちゃ長い文, 動名詞の意味上の主語と動名詞, 関係代名詞など(3-0から追いついたアーセナル)

今回の実例は、Twitterから。

昨日、3月21日の日曜日は、イングランドプレミアリーグではウエストハムアーセナルの「ロンドン・ダービー」だった*1ウエストハムは名称こそ「ウエスト」だが、ロンドン東部のクラブである(正確に言うと、ロンドン東部にある「ウエスト・ハム」という場所を拠点とするクラブである)。2012年のロンドン五輪で建設されたメインスタジアムを、いろいろとうまいことやって、本拠地として手にしたクラブでもある。またここは1980年代くらいまでの「フーリガン」の時代に悪名を高めたクラブのひとつで、このクラブの「ファーム」のことが映画化されていたり、あるいはロンドンを舞台にした映画で「ウエストハムのサポ」というと極めて粗暴な男たちという類型として登場していたりする。ロンドンがゾンビ化ウイルスに襲われ、東ロンドンの若者たちと老人ホームのじじばばがゾンビをなぎ倒すという、全然怖くない超低速ゾンビ満載の手作り感たっぷりの映画『ロンドンゾンビ紀行』(最高の邦題だが原題はCockneys and Zombies)でも、「粗暴なウエストハムのサポーター」がダレそうな場面の引き締め役みたいな感じで出てきていたと思う。 

ロンドンゾンビ紀行(字幕版)

ロンドンゾンビ紀行(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

何の話だっけ。

そうそう、それで、日曜日のロンドン・ダービーはウエストハムのホームであるロンドン・スタジアム(つまり元の五輪メイン会場)で行われたのだが、この試合が、笑ってしまうような展開だった。

つまり、ホームのウエストハムが先に3点取っていて、アーセナルが3‐0から追いついた(それだけでもドラマチックなのに、このうちの2点はオウンゴール)。

今回の実例は、そういう試合についての一言から。

ツイート主のJames Bengeさんは米国の報道機関CBSのサッカー担当記者である。

さて、このツイート、一読して《文の骨格》が取れただろうか。どれが主語で、どれが述語動詞かがわかっただろうか。

*1:ロンドンを拠点とするクラブは、現在プレミアリーグにはアーセナルチェルシークリスタルパレス、フラム、トテナム、ウエストハムの6つがあるが、特にライバル関係がすごいのが、アーセナルとトテナムの北ロンドン・ダービーと、ウエストハムとミルウォールのドッカーズ・ダービーである。ただしミルウォールは今はプレミアにはいない。

続きを読む

引用符の使い方, 挿入, 過去分詞, 等位接続詞, やや長い文, 倍数表現と比較級など(ロシアと地球温暖化)【再掲】

このエントリは、2020年1月にアップしたものの再掲である。

-----------------

今回の実例は、気候変動とロシアについてのAFPの記事から。

AFPはフランスの通信社で、省略せずに書けばAgence France-Presseという。フランスの通信社だが記事はフランス語だけでなく英語など多言語で配信している。日本でもAFP BBという名前で日本語に翻訳した記事を出している。

「通信社」の記事は、個別の報道機関(新聞など)が対価を払って自分のところの紙面やサイトに掲載するものだが、英語圏のメディアで、AFPの記事は、ロイターなど英語圏の記事と同じくらいよく見かける。今回のは英ガーディアン紙のサイトに掲載されていたAFPの記事である。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

ロシアのプーチン政権は「人為的な原因による気候変動」という事実を認めようとしない困った政権のひとつであるが、それが今回、地球温暖化を問題であると認識したというニュースだ。ただし、「温暖化の利点」に注目しているのだという。「ああ、そっちですか……」ということで頭がくらくらするが、ともあれ、記事を見てみよう。

続きを読む

やや長い文, 同格, 分詞の後置修飾, 等位接続詞, 関係代名詞の非制限用法など(オーストラリアの森林火災と首相)【再掲】

このエントリは、2020年1月にアップしたものの再掲である。

-----------------

今回の実例も、前々回前回と同じ記事から。

オーストラリアの大陸全体に広がった今回の火災は、11月に始まり(起点を9月とする見方もある)、今もまだ燃えている。これまでに燃えた区域を立体的にマッピングしたものが(一部、誤って「NASAが撮影した写真」とキャプションをつけられて)Twitterなどネットで話題になり拡散している。

この火災により、大量の二酸化炭素などが出て、野生動物の棲息場所・食料となる緑が失われた。

野生動物の被害はものすごい規模になっていると考えられている。火傷を負ったコアラが通りすがりの女性に助けられ、動物病院に連れていかれ、「ルイス」と名前もつけてもらって可愛がられ、手当を受けていたが、回復する兆しがない*1ことから安楽死させられたことがニュースになったのは11月末、もう1か月以上も前のことだ。

www.news.com.au

野生動物だけでなく、人間も住処を追われ、絶対安全な場所といえば水辺だということで水辺に避難してきているような状態だが、この期に及んでまだオーストラリアの政治リーダーたちに危機感は薄いという。日本でもすさまじい規模の台風が相次いで首都圏を襲っても政治リーダーの危機感はとても薄くて、人々は怒り、また呆れていたが、オーストラリアも似たようなもの、というかもっとひどいようだ。

というわけで今回の実例は、 前々回前回と同じ記事から、その政治リーダーの危機感のなさを指摘した部分から。

*1:火傷は大変。京都でアニメーション制作会社に放火し、自身もひどい火傷を負った容疑者が話ができるようになるまでに何か月もかかっていたが、あのケースは容疑者の治療に当たった医師・看護師の尽力がすばらしかったのだと思う。

続きを読む

性別を特定しない3人称単数代名詞としてのthey(新型コロナウイルス禍、1年前に政府内で何が起きていたか)

今回の実例は、日々のニュース報道ではなくあるひとつの大きな物事を振り返るような記事から。日本の報道機関で「特集」と位置付けられるような類の記事である。

この3月は、新型コロナウイルス禍によるロックダウン(外出禁止や店舗などの営業停止を含む、厳しい行動制限)という自由主義社会では考えられなかったような過激な策が、欧米各国でも取られるようになってからちょうど1年ということで、「あれから1年」という特集記事があちこちで出ている。もちろん、このパンデミックは、例えば地震などの災害やテロ攻撃のように「発生から1年」という明確な区切りの日があり、1年も経っていればある程度の距離を取って振り返ることができる、という性質ものではなく、現在もまだ進行中である。だから「あのときはこうだった」という内容の、日本語でいえば「風化させてはならない」系の過去形のトーンではなく、あくまでも現在進行形(というか、現在完了進行形)のトーンだ。

厳しい行動制限を導入した国のひとつである英国は、世界でも状況が最も悪い国のひとつである。お手軽で申し訳ないが、英語版ウィキペディアの「新型コロナウイルスのパンデミックにおける各国死亡率」の項に一覧表があるので、その表を "Deaths per 100,000 population" (人口10万人当たりの死亡件数)でソートして見ていただきたい。

en.wikipedia.org

現時点で一番上に来ているのはサンマリノだが、ここは人口がとても少ないので、死者数が77人でも、100万人当たりに換算すると227.91という数値になってしまう。他にもそのような、元々の人口が少ない国というのが欧州にはいくつかあるので、それらは目に映ってもスルーするようにして眺めていくとよいだろう。

そして、100万人当たりの死亡件数でソートしたときのこの表において、死者数が6桁に達している国々の中で、最も上に位置しているのが英国の189.61人である。単純に死者数だけなら米国の538,087人が最も多いのだが、米国は人口が多いから、100万人当たりだと164.47人となる。死者数の多さでは、米国の後にブラジル、メキシコ、インドと続き、英国は5番目で126,068人となっている。ちなみに日本は死者数は8,718人で、100万当たりだと6.89人となっている。(数値はいずれも2021年3月18日時点)

f:id:nofrills:20210319202602p:plain

https://en.wikipedia.org/wiki/COVID-19_pandemic_death_rates_by_country

(「英会話」なんかできなくったって別に構わないという人も、自力で読めない英文はとりあえずDeepL翻訳に投げればいいんで読めるようにする必要なんかないでしょと思ってる人も、ネットでの調べもので英語を使うことができれば、こういう情報に瞬時にアクセス可能だということを頭に置いておいてほしい。そこで差がついてしまうということも。)

英国は医療システムがよく整った国であり、科学の力も強い国である(「試験管ベビー」も「クローン羊」も英国の科学によるものだ)。それにもかかわらず、このウイルス禍では「世界最悪」と言える状況にある。

ウイルス禍が英国に及ぶ前に既に欧州大陸(特にイタリア)がひどいことになっていたわけで、それを注視し、先手先手で対策を立てていれば、こんなことにはならなかった、という批判がよくなされる。イタリアがひどいことになっていたころ、英国のボリス・ジョンソン首相は「ウイルス、恐れるに足らず」という態度で「私は誰とでもばんばん握手して回る」と豪語していたし、首相が「ものすごい数の死者が出る」と苦渋の表情を浮かべながらも英国政府は「(ワクチンなしでの)集団免疫 herd immunity」という戦略を取ろうとしていた(そして「集団免疫」論は、政府の記者会見で口に出されたとたんに、科学畑から異論反論が矢のように浴びせられて「疑似科学」と断罪され、政府は瞬く間に「そ、そんなの、基本方針だなんて、言ってませんよ?」と顔真っ赤にして反論しながら「集団免疫」論を奥に引っ込めたのだが)。3月中旬の上流階級の社交の場でもある競馬の「チェルトナム・フェスティヴァル」は、場内のあちこちに手指消毒ジェルを設置して普通に行われた(同じころに行われるアイルランドセント・パトリックス・デーのイベントは中止されていたが、ブリテンではまだそういう危機感みたいなのはなかった)。

そういったことを、1年が経過して、このウイルスで126,068人もの死者を出し、このウイルスとは関係のない原因で亡くなった場合も、ロックダウン(行動制限)のために普通に親戚一同や友人たちが集まって故人を埋葬もしくは火葬するという通常の葬儀を行うことができず、いくつもの企業が売り上げを失って苦境に陥り、中には事業を継続できない状態になった企業もあり……という中で、改めて振り返っているのが、BBC Newsの下記記事である。

ツイート主は記事を書いたBBC政治エディターのローラ・クエンスバーグ。以前も書いたと思うが、この人はTwitterがジャーナリスト必携のツールとなったころにいち早くTwitterを使って多くのフォローを集めていた記者で、Twitterがまだ定着しきっていなかった2011年にBBCからITVに移籍した際、Twitterアカウントをそのまま持って出ることについて「BBCの一員として集めたオーディエンスをそのまま引き連れてITVに移るのはいかがなものか」という論争を引き起こした。「Twitterのフォロワーは誰のものか」が真剣に議論されたのだ。隔世の感がある*1

閑話休題。このツイートの本文、 "ICYMI" はビジネスメールやショート・メッセージ、チャットなどでよく使われてきた略語で、"In case you missed it." のこと。「あなたが見逃した場合には」で、日本語の同等の言い方だと何だろう、「再送しておきますね」「改めてフィードします」くらいかな。

《in case S + V》は「SがVする場合には」が直訳だが、「万が一」くらいのニュアンスが入るので、日本語の「~する場合には」をいちいち "in case ~" を使って英訳すると違和感が出る、というのは、大学受験の和文英訳の定番ネタである。

*1:今では、ジャーナリストが完全に個人としてアカウントを持ち、所属機関が変わっても何も言わないのは当たり前だが、かつては「名前+所属機関」のアカウント名の人が多かったのでこういう議論がクエンスバーグ以外のケースでも見られた。BBCLauraがさくっとITVLauraになることは許容されるのか、という議論だ。

続きを読む

私たちが英語でできるようにしておくべきことは「Noと言うこと」ではない。「Noというメッセージを的確に伝えること」である。

今回は少々変則的に。

ジョージア州アトランタで、3月17日、3軒のマッサージパーラーが次々と銃撃され、8人もの人々が尊い命を奪われた。殺された8人中6人がアジア系の女性だった。

www.msn.com

mainichi.jp

米国で「アジア系 Asian」と言えば、アジア全体を指すようで、私たちの思う「アジア」とあまりギャップはない。他方、英国でAsianと呼ばれるのはインド亜大陸の人々のことで(例えば、アカデミー賞主演男優賞ムスリムとして初めてノミネートされてニュースになっている俳優のリズ・アーメッドや、元One Directionのゼイン・マリク、ロンドン市長のサディク・カーン、内務大臣のプリティ・パテルはAsian Britishである)、中国や日本、ベトナムなどの東アジア人はEast AsianとかOriental, 少々雑で場合によっては侮蔑的な言い方ではChinese, 完全に侮蔑の意図ではChinkeeといった言葉で語られることが多いので、注意が必要である(最近、英国でも、Asianで東アジア人も含めているケースもあるようだが)。ChineseやChinamanは、中国人であるかどうかにかかわらず、東アジア人全般について、多くの場合侮蔑的に用いられる。これは、うちら日本人が欧州人のことを「青い目」呼ばわりするくらいに、適当な言語的現象・慣用である。

新型コロナウイルスパンデミックに伴い、このウイルスの感染症が最初に確認されたのが中国であることから、世界の各地でアジア(東アジア)差別・忌避が広まっているということが伝えられている。米国では前大統領のドナルド・トランプが、ここに改めて書くこともためらわれるような表現で新型コロナウイルスとその感染症のことを言い、絶対多数ではないにせよかなり多くの人々がそれに共鳴している。

日本にもなぜかそのアメリカでのアジア蔑視の言辞が入ってきているが、その界隈では、アジア全体が蔑視されている中で、「中国ではダメだが日本はスゴい」みたいに認識されているわけではない、という現実は無視されているようだ。日本人の側でのいわゆる「名誉白人」現象である。

名誉白人」というのは、かつての南アフリカの人種隔離(アパルトヘイト)政策について、白人側を支持した日本政府と日本人について言われ出したフレーズだったはずだが、その後その枠を超えて、白人全般になぜか親近感を覚え、有色人種全般になぜか嫌悪感を抱いている日本人について、揶揄の意味合いで用いられるようになった表現である。1980年代以前のレガシーだ。皮膚は黄色いのに中身は白いつもりでいるということから「バナナ」という揶揄も日本語圏でなされ、私が大学受験生だったころはそういうことのおかしさを指摘する論説文などを現国の問題集などでずいぶん読んだものだ(中には、「青い目」になりすました日本人が書いたエッセイのシリーズなどもある)。

ともあれその「(名誉白人たる)日本人」界隈では、「嫌われているのは日本ではないので、日本人であることを旭日旗等でアピールすれば差別されない」とかいう盛りに盛ったおとぎ話が出回っているようだ。笑いを取るため、つまり冗談で言ってるんだろうと思ってたら、どうやら本気っぽいのでビビってしまった。しかも白人国家の国旗をつけたTwitterアカウントで「多文化」云々を名乗っている人がそういうことを言っている。「名誉白人として受け入れてもらうこと」が「多文化」なのかもしれないが……。

人を「アジア人だから」といって差別するような人は、その人が中国人か日本人か韓国人かベトナム人インドネシア人かアフガニスタン人かなど気にしない。気にするはずがない。そういった人々は、「アジア人は "我々" とは違う」から差別するのである。

ともあれ、アトランタの銃撃事件では、ジョージア州の治安当局は容疑者(白人で男、21歳)の側に立っているようで、「容疑者はアジア人を殺しに行ったわけではない。容疑者はセックス依存で、性欲を刺激する性産業を攻撃したのだ」「その日はいろいろとうまく行かず、むしゃくしゃしていたのでやったみたいだ」みたいなことを、当局が記者会見で述べたとかいうことがニュースになってて、私が見ているTwitterの画面はみんながドン引きしている状態だった。

続きを読む
当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。