今日もまた、引き続きイレギュラーな感じで。
イスラエルによるガザ地区攻撃が行われると、私が見る画面はガザ地区内からの #GazaUnderAttack のハッシュタグ*1での逐次報告――「ドローンの音だ」とか「爆発音が2度」とか、攻撃を受けた場所や死傷者数についての現地報道などの英語化――と攻撃をやめてほしいという叫びと、在外パレスチナ人による分析的なツイートや文脈の提示、あと、英語圏報道機関のフィードと合わせ、英語を使うイスラエル人や英語圏のユダヤ人からのイスラエル政府批判のツイートに埋め尽くされる。
そう、ユダヤ人だからといってイスラエル政府のやっていることを支持するとは限らないし*2、イスラエル国内にだって政府に批判的な人たちはいる。今回書いてきた、中東についての一連のエントリの最初のもので少し触れているが、 @BtSIsrael (Breaking the Silence Israel) のように、国の政策に対して異議を唱える組織的な活動もある。
それは、少しでも中東に関心を持っている人ならば、当然のこととして知っているはずなのだが、残念ながらそういう人ばかりではなく、「ユダヤ人なのにイスラエルを批判している」みたいな言説は、あまりにもありふれている。そもそも、今回のこの攻撃と、それに至る東エルサレムや西岸地区での暴力を行使したネタニヤフは、首相ではあるが、政権を維持できず何度も選挙をやるはめになっている(つまり、イスラエル国内にはネタニヤフを支持していない人々が相当数いる)のだが、なぜか、イスラエル国外の人々を含め「ユダヤ人」といえば同じような考え方をしていると思いこまれがちである。これは当事者のユダヤ人からみれば「差別」である(ユダヤ人が集団として何か方針を立てているという「反ユダヤ主義」の前提に直結している)。
*1:何年も前からずっと、おそらくTwitterでハッシュタグという仕組みができてからずっと使われているものだが、今回は荒らしが出たようで、 #GazaUnderAttak などスペルが違うものが林立してしまい、ガザ地区内部の人々は #Gaza_Under_Attack とアンダースコア(Twitterのハッシュタグでかなり最近になって対応された記号)を入れたハッシュタグを使っていた。
*2:例えば英国の映画監督のマイク・リーは、マンチェスター圏のジューイッシュのコミュニティーの出身だが、若いころにイスラエルの理念にひかれてキブツに行ったものの、現地で幻滅したという経験を持っている。数年前にガーディアンに掲載されたインタビューでそう語っていた。