Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

《否定》の意味合いの同等比較 (as ~ as ...)

今回の実例はTwitterから。

ヨーロッパのラグビーの国際大会に「シックス・ネイションズ」というのがある。イングランドウェールズスコットランドアイルランドの4つに、フランスとイタリアを加えた6つの代表チームが総当たりで競い合う大会で、毎年欧州が冬から春になるころに1か月半にわたって行われている。

今年のシックス・ネイションズは3月16日が最終日で、ウェールズの首都カーディフで行われたウェールズアイルランドの試合が優勝の行方を決することとなった。この試合でどちらかが勝てばそのチームが優勝し、この試合が引き分けでなおかつこの日にスコットランドと対戦するイングランドが勝てばイングランドが優勝する(残り1試合はローマでのイタリア対フランス)。最終日の各チーム対戦成績は下記の通り。 

 

試合当日、Twitterではそれぞれの応援が盛り上がっている様子だったが、開始10分でウェールズが先制のトライを決める。その後もアイルランドはしょっぱい試合運びだったようで、Twitterで私がフォローするなどしているアイルランドの人たちは、とても静かだった。

 そんなときに流れてきたのがこちら。ツイート主はアイルランドのジャーナリスト、ポドレイグ・ベルトンさん。3月17日のセント・パトリックス・デイの休日を前に、お子さんと一緒に自宅のテーブルに置いたタブレットで試合を観戦していたときの一コマ。

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代名詞のother, 完了不定詞

今回の実例は、先週金曜日にニュージーランドクライストチャーチで起きたとんでもないテロ攻撃に関する最新の報道記事から。

本題に入る前に、この攻撃でテロリストに殺された50人の方々を悼み、残されたご家族・ご友人のみなさまに心からのお見舞いを申し上げます。銃撃で負傷された方々には一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

これまでもテロによる無差別大量殺人は何度も起きてきたというのが現実ですが、この事件はあまりにも衝撃的なので(それがどう衝撃的なのかを説明してしまうこと自体が、今回は「どこも安全ではない」と主張するためにこのような蛮行をはたらいたテロリスト側の思うつぼにはまってしまうと思うのでここでは説明しませんが)、赤道を挟んでほぼ反対側にある東京で単にニュースを追っているだけの私も茫然としています。クライストチャーチは、2011年3月11日の東日本大震災の少し前に大きな地震が発生し、多くの建物が被害を受け、日本人の留学生28人も含め、185人もの方々が亡くなるということを経験している都市です。その都市に、今回はテロという卑劣な暴力がふりかかりました。大地震という自然災害を乗り越えたクライストチャーチに暮らす方々にとっての今回のテロの衝撃の大きさを思うとき、言葉にできない思いに胸がふさがれるようです。

 

では本題です。今回の記事は、金曜日のテロ攻撃直後に逮捕され、即時起訴されて土曜日には出廷していた被告が単独犯であったと見られるという日曜日の報道です(テロ直後は共犯者がいると見られ、数人が逮捕されていました): 

www.bbc.com

 

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be convinced that ..., 《let + O + 動詞の原形》, at least, without -ing(前置詞+動名詞), 関係代名詞の非制限用法, 挿入, 《make + O + 動詞の原形》, 比較級, 強調 (再掲)

※この記事は、2019年1月にこのブログを開設したころにまとめて投稿したいくつかの記事のひとつである。開設時の記事はほとんど閲覧されていないので、重要事項がたくさん入った例として改めて見ておいていただきたく、ここにコピーして再掲しておこう。

 

今回のキャプチャ画像は、2019年1月10日の英紙ガーディアンの記事から。報道されている内容は、1月15日に最終的な採決が行なわれたテリーザ・メイ首相のEU離脱合意案をめぐる国会下院での審議のこと。非常に白熱した一日だったが、報道されている内容について理解している人は、日本にはそう多くはないだろう。以下、高校生・受験生・英語学習者の皆さんは形式だけ取れればよいので、内容が曖昧にしかわからなくても深く考えすぎないようにしていただきたい。 www.theguardian.com

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《時》を表す副詞節内で「未来」を言うのに使われる現在形、SVCの文型におけるturn

今回の実例は、Twitterから。3月14日に英語圏でバズっていたもので、アメリカの小学校で出された作文の宿題と、エマという子の答えである。

 

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A rather than B が A not B という意味になることがある

今回の実例は、3月12日、英国下院で、Brexit(英国のEU離脱)に関するテリーザ・メイ首相の合意案について、いわゆる「意味ある採決 meaningful vote」の第2弾が行なわれる日の国会審議を伝えるライヴ・ブログから。

www.theguardian.com

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one of the + 複数形、倒置

今回の実例は、2月12日のアイリッシュ・タイムズの論説記事から。書いたのは同紙で長く執筆しているベテラン・ジャーナリストのフィンタン・オトゥールで、トピックは英国のEU離脱関連。

アイルランド島北部の6州が「北アイルランド」として「英国の一部」ということになっているため、EU離脱後の英国にとって唯一のEU加盟国との間の陸上のボーダー(境界線、国境)を、アイルランドが有するということになる。その点が問題の核になって、テリーザ・メイ首相がEUとの間で合意を取り付けても英国会での承認が得られないという事態がもう何か月も続いており、とうとう予定されている離脱日まで2週間、というところまで来てしまったのが3月半ばの状況だが、この論説記事が書かれたのはその1ヶ月前である。といっても、状況が大きく違っているわけではないのだが。

www.irishtimes.com

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no other ~, 「総称」のthe, grow used to ~

今回の実例は、この冬、ロシアで人が暮らす区域にシロクマの大群が出現したことを受けて、英ガーディアンの環境部門エディター、ジョナサン・ワッツさんの分析記事から。

「シロクマの侵略」と伝えられたこの件、下記の映像(カナダのCBCニュース)がよく整理されている。YouTubeのプレイヤーで字幕を表示させることができるので、英語の聞き取りに不安がある人も見てみていただきたい。

 

 

さて、記事はこちら。

www.theguardian.com

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複合関係代名詞、時を表す副詞節

今回の実例は、日本の「はやぶさ2」が小惑星リュウグウ」への着陸に成功した、というニュースから。

はやぶさ2」の着陸成功は、英語圏でもかなり大きなニュースになっていて、大手メディア各社に記事が出ていたから、興味のある人は探してみるとよいだろう(英語圏の報道機関は、日本のNHKなどと違って、ネット上にアップした記事を消さないのが普通なので、ずっと前の記事でも検索できるし)。ここでは私がたまたま読んでいたというだけの理由で、ガーディアンの記事を見る。

www.theguardian.com

 

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仮定法過去 (if only ~)

今回の実例は、2018年2月14日にアメリカで発生した高校での銃撃事件から1年を迎える前にガーディアンに出た「コロンバインからパークランドまで: 大量銃撃について私たちはいかに誤った解釈をしていたか」という文章から。

www.theguardian.com

 

この文章の筆者はジャーナリストのDave Cullen (デイヴ・カリン)。1999年4月20日コロンバイン高校銃乱射事件を最初に取材したジャーナリストたちの一人で、事実確認より速報性を重視したことが原因で生じた誤報(「トレンチコート・マフィア」説)の当事者の一人。彼はその誤報の経験を踏まえ、非常に丁寧な取材を行なった結果を一冊の本としてまとめた。それが事件から10年となる2009年に出版され、高く評価されたColumbineという本(下記)である。日本語訳も出ている(下記)。 

Columbine (English Edition)

Columbine (English Edition)

 

 

コロンバイン銃乱射事件の真実

コロンバイン銃乱射事件の真実

 

 

さて、今回見るカリンの文章は長い文章だが、実例は、コロンバイン高校事件の犯人についての「誤った物語」(英語でいうmyth, つまり「神話」)と、それを信じた上でコロンバイン高校事件の犯人を英雄視し、自身も大量銃撃犯となった者たちについて述べた箇所から。

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make + O + 動詞の原形 (使役動詞)、無生物主語(再掲)

※この記事は、2019年1月にこのブログを開設したころにまとめて投稿したいくつかの記事のひとつである。開設時の記事はほとんど閲覧されていないので、身近なニュースの中に重要な文法項目が出てきている例として改めて見ておいていただきたく、ここにコピーして再掲する。

 

今しがた、Twitterで見かけたツイートに、《make + O + 動詞の原形》(使役動詞)があった。実際、使役動詞のmakeやletは毎日何度も見かけるのだが、この例はおもしろい。

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to不定詞の意味上の主語(ofが使われる場合)

今回の実例はTwitterから。ある人の発言に対する別の人の肯定的なリプライで、「あなたがそれを認めるのはよいことだ」という表現に、中学で《to不定詞の意味上の主語》の《例外》として教わるもの(でも覚えてしまえば何でもないもの)が出てきている。

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挿入、時制、現在完了進行形、become + 補語、同格のthat、進行形の受動態

今回の実例は、イギリスでちょっとした騒ぎを引き起こした「ネット上の噂」について、「噂になっているような事実はない」との指摘がなされていることを報道する記事から。

いつもならこの位置に、参照する記事のURLを入れて、記事についている写真が表示されるタイプの埋め込みリンクを貼るのだが、この記事についてはそれで表示されてしまう写真がかなり薄気味悪いので、画像が表示されないようにしてURLを示すことにする。

 

下記URLからその記事に飛ぶと、その薄気味悪い写真(造形作家が作った人形の写真)が表示されるので、ご注意いただきたい。

Viral 'Momo challenge' is a malicious hoax, say charities | Technology | The Guardian

www.theguardian.com

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時制、現在完了、過去完了、時制の一致、分詞構文

今回の実例は、カルロス・ゴーン日産自動車会長の保釈が決まったということを伝えるBBC Newsの記事から。現在完了と過去完了の使い方がイマイチわからないという人にはよい実例だろう。

ゴーン氏は昨年11月の逮捕からずっと拘置所に入れられており、そのこと自体が、基本的によほどのことがなければ逮捕・起訴されたら裁判の開始までは保釈されるのが普通の先進国・民主主義国家としては異様ということで、世界的に関心を集めてきた。その「人質司法 hostage justice system」という制度的な問題に加え、取り調べ以外の時間は他の人と接することなく一人きりで過ごすのを余儀なくされること(独房)などが「人権問題」として重大視されている。まさか日本のような民主主義国の経済大国でそんなことが行なわれているとは!という驚きは、おそらく日本の制度しか知らない日本の人々の想像をはるかに超えるくらいに大きい。ゴーン氏関連のニュースが、単なる「企業トップの不正疑惑」以上のリーチがあるのは、こういった要素があるからだろう。

というわけで、弁護人が変わったときもロイターやブルームバーグのようなメディアもBBCのようなメディアも含め、英語圏で大きく取り上げられていたのだが、3月5日の保釈決定のニュースもまたトップニュース扱いだった。

www.bbc.com

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現在完了の受動態、前置詞+動名詞、前置詞+関係代名詞、to不定詞の受動態

今回の実例は、2月10日付のイギリスでの報道から。トピックは都市計画というか、都心部の公園の開発というか、新施設を付け加えることについてである。

 

www.theguardian.com

なお、記事の掲載媒体はガーディアンだが、中身はPress Associationという通信社*1の記事で、ガーディアンの記者が書いたものではない。

*1:日本での「共同通信」や「時事通信」のような報道機関。

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完了分詞構文

今回の実例も、米アカデミー賞ラミ・マレックが最優秀主演男優賞を取ったときの記事から。演技派というか変幻自在でスクリーンでは原形を留めない風貌になることでおなじみのクリスチャン・ベイルや、同賞初のノミネートとなったベテラン俳優ウィレム・デフォーなど、「誰が取ってもおかしくない」的な面々の中で本命視されていたのは、アカデミー賞の前哨戦と位置づけられる映画賞を制していたマレックだった……ということを前提としてお読みいただきたい。

www.theguardian.com

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