Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【報道・メディア】

of + 抽象名詞, not only A but (also) Bの構造の少し変則的なパターン, 倒置, コロン, など(マット・ハンコック保健大臣の辞任)

今回の実例は、報道記事から。 日本でも報じられていると思うが、英国政府の*1保健大臣 (Secretary of State for Health and Social Care; the health secretary) のマット・ハンコックが、英国で一番売れている下世話なタブロイドの一面にでかでかと恥ずか…

sacrificeの語義は「犠牲を払う」か? (バッハIOC会長発言をめぐって)

今回は、予定を変更して、今ホットな話題について(もう過去の話かもしれないが)。例のIOC会長による「犠牲」発言である。ちなみに原文では "We have to make some sacrifices to make this possible." である。 最初にお断りしておくと、個人的に五輪には…

完了不定詞が主語になっている文, 助動詞+受動態 (BBCの調査報道番組Panoramaが、過去のPanoramaについて調査報道)

今回の実例は、報道記事から。 今日は時間がないので前置きはごく短く済ませたい。BBCのPanoramaという番組は、日本でも少しは知られているかもしれない。時事問題についての調査報道番組だ。ときどきひどいものがあるが*1、たいていは立派な内容である。 そ…

名詞節のwhether節, 倒置 (エディンバラ公死去で追悼番組一色になったBBC)

今回の実例は、報道記事から。 英国のエリザベス女王の夫であるエディンバラ公(フィリップ殿下)が亡くなったことが公表されてすぐの4月9日から10日にかけて*1、英国では物理的に「どこを見てもエディンバラ公」という状態になり、王室廃止論者までもが人が…

「~かもしれない」のcould, so that ~構文など(イエメンからの映像報告: 学校が破壊されても子供たちは学ぶことをやめない)

今回の実例は、ぜひ見ていただきたい映像報告から。 アラビア半島は、大部分がサウジアラビアだが、一番南側の端に細いベルト状に2つの国が並んでいる。東半分がオマーン、西半分がイエメンだ。 https://www.cia.gov/the-world-factbook/static/d937425c0adb…

英語の文章をざくざくと読むということ/やや長い文(文が長くなる仕組み), 挿入, 分詞構文など(ミャンマーのクーデター)

今回の実例は報道記事から。 日本時間で今朝2月1日の朝8時ごろ、Twitterで英語圏のジャーナリストたちが次々と、ミャンマー(ビルマ)で軍がアウンサンスーチー国家顧問(事実上の国家指導者)を拘束したいうことを伝えた。つまりクーデターだ(その時点では…

「英紙タイムズ」の報道について確認する方法(2)

今回は、前回の続きで、有料購読していないと全文の閲覧ができない英国の新聞The Timesで報道された内容を、The Timesを購読せずに、少しでも把握することについて。 有料購読していないと記事全文が読めない媒体の報道内容を知りたい場合、最速で最適な解は…

「英紙タイムズ」の報道について確認する方法(1)

今回は、日本語圏で話題になっている英語報道をどう見つけ、どう追うかということについて。 先週金曜日(1月22日)、日本語圏で大きな話題となっていた「英紙タイムズ」の報道がある。 「英紙タイムズ」は、見ての通り英国の「タイムズ (the Times)」という…

英語圏で起きていることが英語圏から日本語圏に入ってくるまでの時間差について、および入ってくる情報の質について、6日のワシントンDC暴動を例に

今回も、引き続き英文法の解説はお休みして、ネット上の英語での情報について。 18日付でナショナルジオグラフィック日本版の下記のフィードを見た。17日付で日本版に掲載されている英語からの翻訳記事の紹介である。 米議会乱入、暴徒のタトゥーや旗は何を…

「英語力があればでたらめを信じることはない」などということはありえない。だが「英語で情報を入れることができるのは必要最低限」である。

今回も、英文法の実例解説はお休み。 前回のエントリに「 『ANTIFAの成りすまし』と主張した人信じた人は英語圏で生まれ育った米国人。ギャップを生んでいるのは英語力では無い。それは英語力が無くても分かること。そして英語力があっても分からないこと」…

"pleasant if awkward" の中身は、《譲歩》のif節と《省略》

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回も引き続き11月18日のエントリやそれに続くエントリ群へのブコメへのお返事的なことを。(細かい事実誤認・誤記などはスルーしてます。すみま…

《形容詞A if 形容詞B》の構造, awkwardの語義(バラク・オバマの回想録と時事通信の誤訳)

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回の実例は、予定を変更して、今日まさにTwitterで話題になっている件について。 米国のバラク・オバマ前大統領が回想録を出したとかで、今週は…

ある「主張」に対置すべきは「もう一方の主張」ではなく「事実」である。Comment is free, but facts are sacred.

今回は、先週ずっと見てきた「フォー・シーズンズ(ホテルではない)」のインシデントに関する落穂拾い的なことを。英語表現としておもしろいものがあったのでそれを書いておきたいということがひとつ、そして "Facts are sacred" という前提について強調し…

claimという英語について(「米大統領選で不正」という「主張」をそのまま報じた日本の大手報道)

今回は、変則的な形で、時事ブログみたいな書き方をする。 現在、何というか、日本語圏のメディアで目立っている報道内容について、私は大変な不安と心配と懸念を抱かされている。といってもうちにはテレビはないし、新聞もウェブ版を少ししか読んでない(と…

good cop and bad cop, cake-and-eat-it (News Corpにおける冷静な判断力とセンセーショナリズムの使い分け)

今回の実例はTwitterから、「文法」というより慣用表現の実例を。 慣用表現は、「イディオム」とも言うが、そこにある単語をそのまま語義通りにとらえても意味が通らない。"It's a piece of cake." は、語義通りに読めば「それはケーキ一切れだ」だが、意味…

接続副詞howeverの実例集(音楽ストリーミングにネオナチ音楽, マスクの防御効果の学術論文, トランプ発言とSNS)

今回の実例は、やや変則的に複数。 「しかしながら」という長たらしい訳語をつけて覚えさせられる《接続副詞》のhoweverについては、当ブログではすでに何度か扱っている(カテゴリーをご参照いただきたい)。「しかしながら」系の接続詞と接続副詞について…

挿入, 連鎖関係代名詞, 分詞の後置修飾, 英語の文章は最初のパラグラフが読みづらい(ナスカの地上絵)

今回は前回の続きで、新たに発見されたナスカの地上絵についての英語の報道記事を読んでみよう。 前回は、「ナスカの地上絵」についての英語のニュース記事を探すための下準備として「ナスカの地上絵」を英語でどう書くか(言うか)をウィキペディアを使って…

日本語ウィキペディアを手掛かりに英語の報道記事を探す方法、Google翻訳は辞書の代わりにはならないということ(ナスカの地上絵)

今回の実例は、辞書を引くということについて。 新たにナスカの地上絵が発見されたというニュースは、日本語でも大きく伝えられているので、ご存じの方が多いだろう。 ペルーの文化省は16日、世界遺産の「ナスカの地上絵」の保全作業をしている考古学者らが…

ニューヨークを拠点とする3つの新聞を、はっきり区別する。

今回は、いつもと趣向を変えて、英語圏の新聞について基本的なことを書いておきたい。 英語圏の新聞は、大まかに2種類に分けられる。「タブロイド tabloid」と呼ばれる新聞と、「ブロードシート broadsheet」と呼ばれる新聞である。両者の呼称は、元々は印刷…

英語圏報道記事のフィードを要約するなら、訳漏れのないよう正確に、リツイート等も慎重に、というお話(「首相の上級顧問の義父」がなぜか首相人事の話をしているというゴシップの件)

今回の実例も変則的に。 ネット上、特にSNSの日本語圏で、日本以外の国について、人目を引くような断定調の「最新ニュース」に見えるものが広く流れることがある。共同通信や時事通信、NHKや朝日新聞、読売新聞、毎日新聞といった大手報道機関がまったく取り…

進行形の受動態, 助動詞 + 受動態, 受動態と時制(速報記事に添えられている定型文)

今回の実例は、前回見た速報記事特有の注意書きから。報道記事を読むうえで知っておかないと正確に情報を得ることができないかもしれない、というポイントでもある。 このトピックは、元々は前回扱うつもりだったのだけど、文字数が規定の4000字を超えてしま…

【ボキャビル】wrongという単語の意味(ネット情報の真偽チェック #ファクトチェック )

今回は、トピックとしては前回と同じことについての記事から。 現在、全米の各都市で激しい抗議行動とそれに乗じた暴力的な活動を引き起こしたのは、ミネソタ州ミネアポリスで先週月曜日(5月25日)に起きた、白人の警官による黒人男性殺しだ。 加害者の白人…

most of ~, those who ~, ~ to come, 倒置, as ~ as ...(数字の向こう側を見せるNYTの取り組み)

今回も前回の続き。いわゆる「リーディング教材」のようにして、ニューヨーク・タイムズの特集記事を最後まで見ていくことにしよう。この記事を通じて、「アメリカ合衆国」という国の範囲の広さも読み取ることができるので、今回はその視点で読んでいく。 記…

force ... to do ~, 無生物主語, 同格のthat, やや長い文, 関係代名詞の主格とbe動詞の省略, so ~ that ...構文, as though + 仮定法, 分詞構文, など(数字の向こう側を見せるNYTの取り組み)

今回も前回の続きで、先週末、ニューヨーク・タイムズ(NYT)がCOVID-19での死者が10万人に迫らんとする中で示した「数字」ではない、人間たちとしてのひとりひとりの死者についての印象的な取り組みから。 本題に入る前に最新のニュース。2020年5月27日、米…

副詞節内での主語とbe動詞の省略, 英語の文章の書かれ方, 助動詞 + have + 過去分詞, 付帯状況のwith, 独立分詞構文, 分詞構文でのbeingの省略, too ~ to do ...(数字の向こう側を見せるNYTの取り組み)

今回も、前回の続きで、COVID-19による死者数が100,000人に迫る米国で、死者を単なる数字に終わらせまいとするニューヨーク・タイムズ (NYT) の取り組みを見ていこう。 記事はこちら: www.nytimes.com 前回はNYTのこの企画がどういうものかを説明しながら、…

数字の読み方, die from ~, almost all of ~, 「~につき」を表す不定冠詞のa, など(数字の向こう側を見せるNYTの取り組み)

今回は、前回の続きで、「大量死」を伝える米ニューヨーク・タイムズ (NYT) の取り組みから。 前回は、「大量死」をただの数字で終わらせまいとするその取り組みについての紹介の言葉を見たが、今回はその取り組みそのものを見ていこう。 記事はこちら: www.…

形式主語の構文, 付帯状況のwith, 【ボキャビル】bring home, translate A into Bなど(大量死の中、メディアにできること)

今回の実例はTwitterから。 米国では、新型コロナウイルスによる死者数が10万人に迫っている。ここまで数が増えると、報道上では「ただの数字」になってしまう。5月24日のニューヨーク・タイムズ (NYT) は、それに抵抗するような紙面構成をした。 The front …

分詞構文, 同格, prompt + O + to do ~, 助動詞+受動態, be able to do ~, of + 抽象名詞(首相官邸とメディアと報道の自由)

今回の実例も、前々回および前回見たのと同じ、英国の首相官邸がおこなう記者会見に「出席できる記者」を選別しようとし、排除された記者たちとともに全記者が会見をボイコットした、ということを報じる記事から。 記事はこちら: www.theguardian.com こうい…

there is/are ~の現在完了形, 関係代名詞の非制限用法, 動名詞の意味上の主語, 分詞構文(首相官邸とメディア)

今回の実例は、前回見たのと同じ記事から。背景解説等は前回のエントリをご参照いただきたい。 記事はこちら: www.theguardian.com

接続詞, 代名詞, tell + O + to do ~, allow + O + to do ~(首相官邸とメディア)

今回の実例はメディアに対する首相官邸の扱いをめぐる報道記事から。 2019年夏に英国の首相となったボリス・ジョンソンという人は、一言で言えば「そこそこいい家の子」で、イートン校からオクスフォード大学に進んだという経歴の持ち主だ。1970年代のことで…

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