Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【人権・難民・亡命】

パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 4(強調構文, 接続詞のonceなど)

今回も、前回に引き続き、イスラエルの実効支配*1のもとに置かれている東エルサレムで、パレスチナ人がどんなことを経験させられているか*2ということについて、PA(パレスチナ自治政府)だとかファタハだとかハマスだとかいった視点ではなく、一個人として…

パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 3 (those who ~, 接続詞のwhile, force ... to do ~, など)

今回は、前々回および前回の続きで、前回のエントリで途中まで見た昨年6月のエルサレムにおける「旗行進 flag march」の記録映像を見て、モハメド・エル・クルドさんのスレッドを先へ読んでいこう。 前置きなしで、以下、いきなり本題に入る。前回の繰り返し…

パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 2(「~しようとしない」の意味のwon't, 主語がものすごく長い文, など)

今回は、前回の続きで、(すごくわかりやすく単純化して書くと)パレスチナなのにイスラエルの実効支配を受けていて、イスラエル当局と入植者のいろんな形の暴力にさらされている東エルサレムから、日々何が起きているか/何が行われているかを英語で伝えて…

パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 1(仮定法過去, 分詞構文, 倒置, dare (to) do ~, など)

今回は、翻訳という作業についてのこないだの記事の続きをアップするつもりだったんだけど、自分の頭の中のことなんか書いてる場合じゃないな、っていう状態になっているので、またもや予定を変更して(お待ちくださっている方がいらしたらごめんなさい)、…

現在完了はこういうときにこそ使うもの(オーストラリア、ジョコヴィッチが一時入れられた入管施設に9年も拘束されている難民の声)

今回の実例は、Twitterにフィードされている報道の映像クリップから。 新型コロナウイルスのワクチンを打たずに全豪オープン出場のため入国したオーストラリアで入国査証(ヴィザ)を取り消されたノヴァク・ジョコヴィッチ選手は、一度はその取り消しを裁判…

長たらしい文の構造を正確に把握する, 関係代名詞節, SVOCの構造, andの作る構造, など(イスラエルが、パレスチナNGO6団体を非合法化)

今回は、前回の続きで、イスラエル政府によるパレスチナNGO6団体の非合法化という暴挙について報じるDWの記事から、前回見た部分の少し先を見てみよう。 前置きは前回書いたので、そちらをご覧いただきたい。また、当ブログではイスラエル/パレスチナについ…

分詞の形容詞的用法(前置修飾), accuse ~ of -ing, denounce A of B など(イスラエルが、パレスチナNGO6団体を非合法化)

今回の実例は、報道記事から。 先週、中国政府の国家安全維持法により、事実上活動不可能になるアムネスティ・インターナショナルが、香港のオフィスを閉鎖するということについての文章を2度にわたって取り上げたが(その1、およびその2)、同じころ、この…

make it ~ for ... to do --, it is ~ for ... to do --, 関係代名詞の非制限的用法など(アムネスティ・インターナショナルの香港拠点閉鎖)

今回の実例は、前回見た報道記事で参照されていた国際NGOのステートメントから。(本当は前回、ここまでやってしまうつもりだったのだが、力尽きてしまっていた。) 前回見たように、2020年夏に中国政府が香港について導入した「国家安全維持法」の影響で、…

make it ~ to do ..., to不定詞の意味上の主語 (アムネスティ・インターナショナル、香港事務所を閉鎖へ)

今回の実例は、報道記事から。というより、報道記事に引用されている国際NGOのステートメントから。 香港で、「逃亡犯条例改正案の完全撤回」や「普通選挙の実現」などを含む五つの目標「五大要求」を掲げた大規模なデモが始まったのは、わずか2年半前、2019…

等位接続詞andの作る構造を丁寧に読んでみる(ノーベル平和賞のプレスリリース)

今回の実例は、前々回と前回に引き続き、今年のノーベル平和賞の受賞者を告知するノーベル財団のプレスリリースから。 前置きは一切抜きにして、本題に入ろう。記事はこちら。 www.nobelprize.org 今回はこのプレスリリースの最後の部分から。

意味を知らなくても推測可能な単語と、意味を知らなかったら詰んでしまう単語(討論番組に出演してネットで暴言を浴びせられたコメディアン)

今回の実例は、Twitterから、「英文法」というより「これが下線部和訳で出題されたらどうする?」というトピックで。 英BBC(テレビ)に、Question Timeという番組がある。英国では国会(下院)で平議員と総理大臣を含む閣僚とが直接質疑応答を行う question …

時制, 関係副詞など(米CIAの「強化された尋問手法」は、裁判を遅らせた)

今回の実例は、前々回と前回の続きで、今から20年前の9月11日に行われた米国に対する攻撃(以下「9-11」)の首謀者で、今週ようやく、長く中断されていた裁判が再開されたハリド・シェイク・モハメド(以下「KSM」)を1990年代からずっとマークしていたFBI捜…

get + O + 過去分詞, 等位接続詞が作る構造がややイレギュラーなケース, 完了不定詞, など(2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者の裁判はなぜまだ行われていないのか)

今回は、前回の続きで、事件発生後20年を経て、内部事情を知る人、というより当時の捜査の当事者によって語られるようになった、2001年9月11日の所謂「米同時多発テロ事件」((以降「9-11」、英語では "Nine-eleven" と呼ばれる) の首謀者(計画立案者)ハ…

時制, be yet to do ~ (2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者の裁判はなぜまだ行われていないのか)

今回の実例は、あるとても大きな事件が発生してから20年になろうというタイミングで、ようやく語られるようになったことについての記事から。 米国で2001年9月11日に起こされたその事件(以降「9-11」、英語では "Nine-eleven" と呼ばれる) は、法的に、まだ…

仮定法過去(アフガニスタンについて、元英軍人の言葉)

今回の実例は、Twitterから。 この半月というもの、アフガニスタンから聞こえてくるニュースは、どれもこれもつらく、深い怒りをかきたてるようなものばかりだ。こうなる前からずっとそうだったとおっしゃる方もいらっしゃるだろうが、この半月は、本当に、…

比較級+than+any other ~, 機械翻訳が誤訳する英文, 譲歩の構文, など(カーナビー・ストリートのシリア難民シェフ-4)

今回もまた、前々々回と前々回、および前回の続きで、6月20日の「世界難民の日 World Refugee Day」に英国の新聞に出たレストランのレビュー記事から。文脈などの前置きについては、 前々々回のエントリをご参照のほど。 前回までの3回をかけて、第3パラグラ…

接続詞のas, those who ~, as if ~, など(カーナビー・ストリートのシリア難民シェフ-3)

今回の実例は、前々回と前回の続きで、6月20日の「世界難民の日 World Refugee Day」に英国の新聞に出たレストランのレビュー記事から。文脈などの前置きについては、前々回のエントリをご参照のほど。 記事はこちら: www.theguardian.com 前回はかなり長い…

長い文, if節のない仮定法, 辞書に載っていない慣用表現, など(カーナビー・ストリートのシリア難民シェフ-2)

今回の実例は、前回の続きで、6月20日の「世界難民の日 World Refugee Day」に英国の新聞に出たレストランのレビュー記事から。文脈などの前置きについては、前回のエントリをご参照のほど。 記事はこちら: www.theguardian.com この記事で紹介されているレ…

whether節, 副詞のany, 口語表現の「すごい」, など(カーナビー・ストリートのシリア難民シェフ)

今回の実例は、レストランのレビュー記事から。といってもただのレストラン・レビューではない。 昨日6月20日は、「世界難民の日 World Refugee Day」だった。これは、難民の地位に関する条約(難民条約)が1951年に採択されてから50年となる2001年に始まっ…

自動詞と他動詞と受動態、そして《行為主》の明示・非明示(燃えた/燃やされたミャンマーの村)

今回の実例は、報道記事から。 「自動詞」と「他動詞」を区別すると、もろもろ効率よくなる、ということを、私はずいぶん遅くなってから初めて知った。中学や高校の英語の授業で「他動詞」なんて単語を学校で聞いたこともなく(私立校で英語に力を入れている…

東エルサレム、シェイク・ジャラー地区で起きていること: Part 2 (進行形の受動態, やや長い文, so that S can do ~, など)

今回は、前回の続きで、東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で行われていることについてのIMEU (the Institute for Middle East Understanding) による解説を読んでみよう。IMEUについての説明や、シェイク・ジャラー地区についての基本的な解説は前回して…

東エルサレム、シェイク・ジャラー地区で起きていること: Part 1 (動名詞と現在分詞, if節のない仮定法, 構造が取りづらい長い文, など)

今回は、東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で何が行われているのかについての解説を、Twitterの連続投稿(スレッド)で読んでみよう。 シェイク・ジャラー地区については、下記2件のエントリで本題に入る前の前置きの部分で少しだけだが書いてあるので、…

「ユダヤ人なのにイスラエル政府を批判している」という物言いは、なぜ反ユダヤ主義の危険性につながりうるのか。

今日もまた、引き続きイレギュラーな感じで。 イスラエルによるガザ地区攻撃が行われると、私が見る画面はガザ地区内からの #GazaUnderAttack のハッシュタグ*1での逐次報告――「ドローンの音だ」とか「爆発音が2度」とか、攻撃を受けた場所や死傷者数につい…

「イスラエルによる占領」とはどういうものか、ひとりの八百屋さんが撃ち殺された事件を通じて (関係副詞の非制限用法, など)

今回は、イスラエルの新聞『ハアレツ』英語版の記事を見てみよう。 と、本題に入る前に、この1週間ずいぶんあれこれと地名が出てきたので、パレスチナの地図を確認しておこう。Google Mapsにアクセスして、検索窓にPalestineと打ち込んでみてほしい。そうす…

続き 4/了: 「ハマスのロケット」の前にあったこと~ブリン村でのイスラエル人入植者による放火 (関係代名詞, トピック文とサポート文の構造)

今回も、前回までの続きで、ブリン村焼き討ちについてのMondoweissの記事を読んでいく。今回で最後まで読み切りたいが、毎回冒頭で「前回」「前々回」式に前の記事をリンクするのも限界なので、タグを使って一括管理するようにした。前置きの類は初回のエン…

続き 3: 「ハマスのロケット」の前にあったこと~ブリン村でのイスラエル人入植者による放火 (文法用語はなぜ必要か)

今回も、前々々回と前々回および、前回の続きで、ブリン村焼き討ちについてのMondoweissの記事を読んでいく。前置きの類は前々々回のエントリをご参照いただきたい。 さて、アルジャジーラとAPの入居していたオフィスビルがイスラエル軍によって爆破された件…

続き 2: 「ハマスのロケット」の前にあったこと~ブリン村でのイスラエル人入植者による放火 (分詞構文, 時制, spend ~ -ing, など)

今回も、前々回と前回の続きで、ブリン村焼き討ちについてのMondoweissの記事を読んでいく。前置きの類は前々回のエントリをご参照いただきたい。 前回少し言及したが、ガザ地区でアルジャジーラ(カタール)とAP通信(米国)という超大手の報道機関が拠点を…

続き: 「ハマスのロケット」の前にあったこと~ブリン村でのイスラエル人入植者による放火 (接続詞のas, by the timeを使った表現, など)

今回は、前回の続きで、ブリン村焼き討ちについてのMondoweissの記事を読んでいこう。前置きの類は一切省略するので、必要な方は前回のエントリをご参照いただきたい。あと、中東情勢については、ごくごく基本的なことについて必要最小限の情報共有すらでき…

「ハマスのロケット」の前にあったこと~ブリン村でのイスラエル人入植者による放火(《時》を表す接続詞のwhen, 感覚動詞, など)

今回は、前回最後に述べたように、Mondweissの記事を見てみよう。 Mondoweissは米国を拠点とするオンライン・メディアで、米国の中東における外交政策を専門としている。最初は、2006年に、ニューヨーク・オブザーヴァーという週刊メディアのサイト内で、Phi…

関心を寄せるべきは「衝突が起きている」ことではない。イスラエルが何をしているのか、だ。

今回は、少し変則的に。 ハマス(ハマース)*1がロケットを撃ち始めてようやく世界的に報じられるようになったが(そもそも「ハマスが先に手を出した」わけではないのだが)、ここ数週間、イスラエル/パレスチナ情勢がひどく緊迫してきていた。 武装抵抗組…

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